こんにちは、美味しいものに目がないニューヨーク駐妻のミイです。
コロナの影響でなかなかレストランにも行きにくい状況が続いていますが、こんな時だからこそ、美味しいものを食べて幸せな気持ちになりたいですよね。
アメリカの美味しいもの、と言えば、まず思い浮かぶのはステーキですが、ステーキは冷めたらまずいので、テイクアウトやデリバリーはお勧めしません。
ではどうするか? というと、焼くのです。自分で! おうちのキッチンで!!
実はうちの夫は学生時代にステーキハウスで2年ほどバイトをしており、自称肉焼きのセミプロなのですが、彼が焼くステーキは、正直言って今までどのステーキハウスで食べたステーキよりも美味しいです。
そして、自宅で焼くと、コストはステーキハウスのだいたい半分ですみます。
そこでこの記事では、その夫直伝の、
- いいステーキ肉の選び方とおすすめ部位(リブアイ一択!)
- ステーキ肉の下ごしらえの仕方
- 外は香ばしく、中はジューシーなステーキの美味しい焼き方
- 絶品ステーキソースの作り方
についてご紹介します。
この記事の通りに焼いたお肉を一度食べたら、皆さんも週1でステーキを食べたくなりますよ!(笑)
アメリカで美味しいステーキ肉を選ぶ方法
さて、まずはお肉の焼き方の前に、美味しいお肉の選び方についてご紹介していきますね。
美味しいステーキ肉を選んで買うコツは、下記の通りです。
- 精肉カウンターのあるスーパーに行こう
- お肉の部位はリブアイ一択
- リブアイキャップが大きいものを選ぼう
- 脂肪分が細かく霜降りのものを選ぼう
- 赤身の色は明るい方がいい
- 厚さは1インチ(2.5cm)が良い
- バイソン肉も試してみよう
これだけだとわかりにくいので、順番に詳しく説明していきますね。
精肉カウンターのあるスーパーに行こう
まず、新鮮なお肉を買いたいなら、精肉カウンターがあるスーパーに行くのがベストです。
生肉カウンターは、Whole FoodsやFair Wayにはありますが、Trader Joe’sや H martには残念ながらありません。
ただし、パック詰めのお肉でも、気をつければ新鮮なものを見つけることは可能です。
お近くに精肉カウンターがあるスーパーがない場合や、カウンターで英語で注文するのが苦手な方は、
- パックの底に赤い肉汁が溜まっていないもの
- お肉の下に敷いてある吸水パッドが膨れていないもの
を選びましょう。
ただ、精肉カウンターで英語で注文するのは意外と簡単で、
「Hello, I would like to have 2 slices of rib eye.(こんにちは、リブアイのお肉を2切れください)」
「I will take the second one from the bottom.(一番下から2つめのお肉をください)」
「That’s it. Thank you.(これで欲しいものは全部揃いました。ありがとうございました)」
この3つの英文を覚えて、後は適宜言葉を変えればなんとかなります。
お肉の部位はリブアイ一択
ステーキ肉には、フィレミニヨンやサーロインなど、いろいろな部位がありますよね。
私はアメリカに来た当初はフィレミニヨンばかり食べていましたが、今ではリブアイ一択です。
リブアイは正義、リブアイ以上に美味しいお肉を私は知りません。
フィレほど繊細な柔らかさはありませんが、旨みやジューシーさがフィレとは比較になりません。お肉らしい適度な弾力も、食べ応えがあって私は好きです。
そして、サーロインよりも柔らかく、赤身の美味しさが存分に楽しめます。
アメリカならではのステーキを食べたいなら、そして特にお肉の部位にこだわりがないのなら、とりあえずリブアイを頼んでおけば間違いはありません。
リブアイキャップが大きいお肉を選ぼう
リブアイのお肉は通常、脂肪のタテ線で区切られた2種類の赤身から成り立っています。
そして、その2種類の赤身のうち、小さい(全体の1割くらいしかない)方をリブアイキャップ(Rib eye cap)というのですが、ここが一番柔らかくて美味しい部分です。
なので、このリブアイキャップの部分が大きめの肉を選ぶと、より多く極上の部分を食べられます。
こちらの動画で、実際のお肉を見せながら詳しく解説しているので、よろしければチェックしてみてください。
なお、リブアイキャップの説明は、動画が始まって4分くらいから始まります。
脂肪分が細かく霜降りのものを選ぼう
これは当たり前のことですが、白い脂身の部分がどーんと大きいお肉よりも、細かく霜降りになっているお肉の方が美味しいです。
脂身の部分が細かく散らばっているお肉を選びましょう。
赤身の色は明るい方がいい
これも当たり前ですが、お肉は鮮度が落ちて酸化が進むと黒っぽい色に変わって行きます。
赤身の色が鮮やかで明るいものを選びましょう。
なお、「お肉のパックを開けたら、重なっていた断面同士の色だけ茶色い!」ということがたまにありますが、これはお肉をスライスしてすぐ重ねたため、赤く発色しなかったことが原因です。
(お肉はもともと茶色っぽい色をしており、切った断面が空気に10分ほど触れると赤く発色します)
鮮度に問題はないため、気にせず食べてしまって OKです。
バイソン肉も試してみよう
「ステーキは食べたいけど、最近メタボ気味だしなあ・・・」
と罪悪感を感じてしまうあなたには、もしかしたら牛肉よりもバイソン肉(Byson)の方が合っているかもしれません。
バイソンとはバッファローのお肉のことで、牛肉と比べて、
- 柔らかい
- 癖がない
- 高タンパク
- 低脂質
- 鉄分が3倍
と、良いことずくめ。その分お値段は張りますが、アメリカに来たからには一度くらい試してみていただきたいです。
バイソン肉はサーロインやフィレだと淡白すぎるので、必ずリブアイを選んでください。
Fair Wayで売っているのは見たことがないですが、Whole Foodsの精肉カウンターに行くとほぼ必ず売っています。
ちなみに、この前トレジョに行ったらビーフジャーキーならぬバイソンジャーキーを見つけたので、次に行くときに買ってみようと思っています。
ステーキ肉の下ごしらえの仕方
ステーキ肉を焼く時、つけダレでマリネしてから焼く人もいますが、良いお肉を買ったなら、下味は最低限に留めてシンプルに肉の旨味を引き出す方が美味しく焼けます。
なので、我が家のステーキ肉の下ごしらえは、この2点のみです。
- お肉を冷蔵庫から出して常温に戻す
- 塩胡椒とニンニクをすり込む
順番に詳しく説明していきますね。
お肉を常温に戻す
アメリカのステーキは分厚いですから、冷蔵庫から出してすぐに焼いてしまうと、なかなか火が通らずに外はコゲコゲ、中は生肉のとんでもないステーキができてしまいます。
なので、なるべく均一に火が通るように、お肉は冷蔵庫から出して常温に戻してから焼きます。
常温に戻るまでの時間は、冷蔵庫の温度設定や気温、肉の大きさにもよりますが、だいたい20分を目安にしてください。
塩胡椒とニンニクをすり込む
お肉が常温に戻ったら、次は塩胡椒を振ります。
アメリカのステーキは分厚いので、「ちょっと振りすぎかな?」くらいでちょうど良いです。裏表だけでなく、側面にも振ってください。
ここからは好みですが、我が家は全員ニンニク大好きなので、すりおろしたニンニクも満遍なくすり込みます。
お肉一枚につき1個(ニンニク好きの方なら2個)使うと、ガツンとパンチのあるステーキになります。
ニンニクの他にも、ローズマリーやタイムなど、お好きなハーブを振っても美味しいです。
おいしいリブアイステーキの焼き方
アメリカでおいしいステーキを焼く手順は、以下の通りです。
- フライパンは分厚いものを用意
- 全ての窓を開ける
- 寝室などのドアを閉め切る
- フライパンを煙が出るまで熱する
- 油を敷いて肉を乗せる
- 片面を焼き色がつくまで焼く
- ひっくり返す
- 側面にも焼き色をつける
- フライパンにバターを投入
- バターを肉にスプーンでかける
- 1インチ以上の厚さの肉ならオーブンに
- 焼いた時間と同じだけ肉を寝かせる
これだけだとわかりづらいので、順番に詳しく説明していきますね。
フライパンは分厚いものを用意
ステーキを焼くフライパンは、家にあるものの中で一番分厚いものを選びましょう。
薄いフライパンは熱しやすく冷めやすく、冷たいお肉を乗せると簡単に温度が下がってしまい、綺麗な焼き色がつきません。
ちなみにうちの夫は、staubの在庫処分セールで本格的なグリルパンを半額で買って、毎回ルンルンでステーキを焼いています。
Staubブランドのキッチン用品を買うなら、ニューヨークで毎年秋に開催される倉庫一掃セールがが狙い目です。ご興味のある方は、こちらの記事も読んでみてくださいね。
全ての窓を開ける
アメリカの家の換気扇は作りがちゃちく、モクモク出る煙を全く換気してくれません。
なので、キッチン周りの窓という窓を全開にしてから焼き始めることをおすすめします。
でないと、すぐに火災報知器(fire alarm)が作動して爆音が響いてしまいます。
(うちは窓を全開にしても50%の確率で報知器がなるので、仕方なくベランダのドアも全開にします・・・)
ちなみに報知器の爆音は、椅子などに上って本体のボタンを押せば止めることができます。
寝室などのドアを閉め切る
寝室やバスルームなどのドアを開けっ放しでステーキを焼いてしまうと、家中に肉の香ばしい匂いが充満してしまいます。
お肉を焼く前に、必ず閉められるドアは全て閉めておきましょう。
フライパンを煙が出るまで熱する
さて、ここからいよいよ本題です。
まず、フライパンを一番強火で熱し、白い煙が立ち上るまで待ちます。
白い煙が出て来たら、サラダ油をひき、お肉を静かに乗せます。
油が飛ぶと危ないので、そうっと優しく乗せましょう。また、乗せた瞬間の油の跳ねにも注意してください。
片面ずつ焼き色がつくまで焼く
お肉をフライパンに乗せたら、焼き色がつくまで高温のまま焼きます。
お肉の厚さにもよりますが、最低でも2分半は焼きましょう。
綺麗な焼き色がついたらひっくり返し、同様にもう片面も焼きます。
焼き色がつかないうちにひっくり返してしまうと、もうその面はその後どんなに熱しても焼き色がつかないので注意です。
側面にも焼き色をつける
アメリカのステーキは分厚いので、普通に裏表を焼いただけでは側面に火が通りません。
側面が生焼けのままだと、そこからどんどん旨みが逃げて行ってしまうので、裏表を焼いたらトングで側面をフライパンに押し付け、側面にも焼き色をつけましょう。
フライパンにバターを投入
全ての面に満遍なく焼き色がついたら、フライパンにバターを15グラムくらい投入します。
バターが溶けたら、スプーンですくってステーキ全体に満遍なくかけましょう。
この一手間で、お肉の香ばしさが格段にアップします。
(もし面倒なら、この工程は省いてもOKです)
厚さが1インチ以上のお肉はオーブンに
アメリカ標準の厚さが1インチほどのお肉なら、上記の工程で中まで火が通るはずですが、中にはとても分厚いお肉を売っているお店もあります。
その場合、念を入れてオーブンでじっくり焼くと、レアすぎない日本人好みのステーキになります。
必要な温度や時間は、そのお肉次第なのでなんともいえませんが、私だったらまず350度(摂氏175度)で10分ほど焼いてみます。
焼いた時間と同じだけ肉を寝かせる
さて、ステーキを焼く上で、ここが最重要!なのですが、焼いてすぐ切って食べてはいけません。
焼いてすぐ切ると、旨みが肉汁と一緒に外に出てしまい、せっかくここまで気を遣って焼いた労力がパアになってしまいます。
必ず焼いた時間と同じだけ、フライパンから出して冷ましてから食べるようにしましょう。
(・・・と、夫は力説していますが、私は自分一人で作る時はすぐ食べてしまいます。だって熱々を食べたいもの!!:笑)
ステーキの焼き方説明動画
さて、ここまで長々と書きましたが、
「文章の説明だけだとイメージしにくくて頭に入ってこない!!」
という方もいらっしゃると思います。
そこで、夫の敬愛するイギリスの五つ星シェフのゴードン・ラムゼー氏(Gordon Ramsay)のステーキの焼き方動画もご紹介しますね。
この動画では、ニンニクやハーブはバターと一緒に焼いてから付け加えるなど、夫の説明とは違う部分もありますが、世の中には色々なステーキの焼き方レシピがあるので、色々試してお好みの焼き方を発見していただければと思います。
また、同じくラムゼー氏の「ステーキを焼く10のコツ」という動画もなかなか興味深かったので、こちらもご紹介しておきますね。
最後の10個目のコツ、「独り占めしないでみんなで食べよう!」というのがクスッと笑えて面白いです。
絶品ステーキソースの作り方
アメリカのステーキソースといえば、茶色くて少し酸味のあるこちらのソースが定番です。
というより、アメリカのステーキハウスで、これ以外のステーキソースを見たことがありません。
ただ、私はこのソースがあまり好きではなく、いつもアメリカのレストランでステーキを食べるたびに、
「アメリカにも、オニオンソースとかガーリックソースとかあったらいいのに・・・」
と思っていました。
しかし、家でステーキを焼くとなれば、ソースも自分で好きなものを選ぶことができます。
そこで色々試した結果、私がベストだと思うのは、
- ポン酢バター
これ一択です。
作り方は簡単で、バターをひとかけらレンチンして溶かし、そこにポン酢を注ぎます。
ポン酢の爽やかさとバターのコクがあいまってとても美味しいですし、何より超お手軽なので、ぜひ試してみてください。
アメリカのステーキ肉は日本より美味しい!?
これはあくまで私個人の意見ですが、アメリカのステーキは、うまく調理すれば日本のステーキの何倍も美味しいです。
そこで最後に、
「そもそもなぜアメリカでステーキを食べるべきなのか?」
「なぜアメリカのお肉は日本より美味しいのか?」
というお肉にまつわる豆知識をご紹介しますね。
アメリカのお肉は赤身がおいしい
日本では、ステーキでも焼肉でもしゃぶしゃぶでも、「霜降りの脂身は、あればあるほど良い!」という価値観ですよね。
一方で、アメリカ人は、普段あれだけ揚げ物を食べるくせに肉の脂身は嫌いな人が多く、赤身と脂身の比率が7:3くらいのお肉を好みます。
なので、アメリカのステーキ肉は、脂身の旨味でごまかせない分、赤身の旨味や柔らかさが際立っています。
「カルビよりハラミが好き」「大トロより中トロが好き」という方にとっては、アメリカのステーキはたまらなく美味しく感じられるはずです。
アメリカのステーキは分厚い
アメリカのステーキは、量が多く、分厚いです。
なのでなかなか火が通らず、焼くのにコツがいりますが、そのぶん肉の旨みが外に出にくく、上手に調理できれば肉本来の美味しさを十二分に楽しむことができます。
エイジドビーフ(Aged Beef)の技術がある
ステーキを深く愛する欧米には、ステーキをより美味しく食すための「ドライエイジング(Dry aging)」という技術があります。
これは、お肉をわざと保管庫で長期間寝かせて、乾燥させて熟成させます。
生椎茸も干すことで旨みが強くなるように、牛肉もすぐに食べずに寝かせることで、旨み成分のアミノ酸が増え、また食感も柔らかくなるようです。
エイジドビーフはかなり高級で、スーパーに買いに行ってもなかなか手が出せませんが、日本では売っていないお肉なので、アメリカ滞在中に一度は試していただきたいと思います。
アメリカで絶品リブアイステーキを焼く方法:まとめ
さて、ここまでで、
- いいステーキ肉の選び方
- 部位はリブアイが一番美味しい
- ステーキ肉の下ごしらえの仕方
- 外は香ばしく、中はジューシーなステーキの美味しい焼き方
- 絶品ステーキソースの作り方
- なぜアメリカのステーキは日本より美味しいのか?
についてご紹介しました。
アメリカで長く暮らしていると、日本にはないアメリカの良さがたくさん見えてきますが、ステーキの美味しさはそのトップ10に入るくらい重要な美点だと思います。
ぜひ色々なお肉を何度も焼いて、「これだ!」という味を追求してみてくださいね。
なお、アメリカで揃えると便利なキッチン用品について、こんな記事も書いています。
よろしければ、この記事もご覧になってみてくださいね。