こんにちは、ニューヨークで二人の男の子を育てている駐在妻のミイです。
いきなりですが、我が家の長男(5歳)は、アメリカのデイケア(保育園)に週5で通っています。
こういうと、日本人の知り合いからは、
「ママが駐在妻(=ほとんどの場合主婦)なのに保育園に入れるの?」
と不思議そうなリアクションが返ってくることが多いです。
そこで今回の記事では、
- アメリカのデイケア(保育園)事情
- アメリカの保育園と幼稚園の違い
- 日本の保育園と何が違うか
についてご紹介していきます。
なお、実際にアメリカで保育園を探す方法についてはこちらの記事で書いています。
「アメリカで子供を保育園(または幼稚園)に入れたいけれど、日本と違いすぎて何が何やら・・・」
と困っている方の助けになれば幸いです。
アメリカの保育園と幼稚園は何が違う?
まず本題の、「アメリカの保育園と幼稚園は何が違う?」という疑問についてですが、実は日本のようにパッキリ区別がついているわけではなく、垣根が非常に曖昧です。
なんとなーく、
保育園 | 幼稚園 |
夕方(18時ごろ)まで預かってくれる | 15時までには帰される |
働くママ向け | 主婦ママ向け |
休みが少ない | 休みが多い |
Daycareと自称していることが多い | Nurseryと自称していることが多い |
教育レベルは値段によりピンキリ | 教育熱心なところが多い |
という区別はあるものの、中には「○○ Child Care」といったどっちつかずの校名のスクールもあるくらいで、アメリカ人にとって、「幼稚園か保育園か」というラベリングはあまり重要ではないようです。
というのも、アメリカには日本のような保育料無償化などの福祉がなく、
「幼稚園だろうが保育園だろうが、料金は全部自腹」
なので、そもそも区別する必要がないんですね。
だから、ママが専業主婦でも、保育料を払えるのなら誰でもデイケア(保育園)に入園できるし、早い時間にお迎えに来られるなら、ワーママがナーサリー(幼稚園)に子供を入れても全く問題ないのです。
日本と違うアメリカの保育園事情
では次に、アメリカならではの保育園の事情(特徴)について見ていきましょう。
私は今までに引越しやら何やらで息子を3箇所の違うデイケアに通わせたことがあるため、割と偏りのない情報をシェアできると思います。
- アメリカの保育園の料金
- とにかく持ち物の準備がラク
- 給食は園で用意してくれることが多い
- 給食のアレルギー対応がしっかりしている
- 空きがあれば明日にでも通学開始
- 祝日や長期休みは園によって様々
- バレンタイン等イベントでプレゼントを用意
- 誕生日にはパーティーを企画
- 日本と同じサービス水準を求めてはいけない
以上の特徴について、順番に詳しくご説明していきますね。
アメリカの保育園の料金
アメリカの保育園の料金は地域やサービスによりピンキリですが、月〜金の8:00-18:00だと、私の住むニューヨークロングアイランドでは安くても1200ドル/月、高くて2000ドル/月くらいです。
しかもアメリカの保育園は商売上手なので、ここにさらに、
「オプションのサッカープログラム(200ドル/月)に参加されますか?」
「○○くんのクラスではほぼ全員参加しているので、不参加だと一人でクラスに残って部屋遊びをすることになります」
といった脅しめいた勧誘が加わり、支払う総額は月謝よりも多くなります(涙)。もうこれは、送迎なしで習い事ができると前向きに捉えるしかない・・・。
ちなみに、昔住んでいたアトランタでは、月〜金の8:30-15:00で通っていたのですが、そのときは月々800ドルでした。
持ち物の準備がラク
まず、アメリカの保育園の最大にして最高の特徴は、持ち物の準備がラクなこと!
うちの息子は毎日バックパックにこれしか詰めて行きません。
- 水筒
- 昼寝用シーツ
- 昼寝用毛布
さらに、シーツと毛布は月曜に持って行ったら金曜まで持って返ってこないので(そして週末に洗濯)、実質持っていくのは水筒だけです。
9月の新学期が近づくと、新学期までに準備するアイテムリスト(Supply List)というものが配られて、一年ぶんの文具やら消耗品やらを一気にどーんと用意する必要が出てくるのですが、それもすべてTarget(日本のイオンのような何でも屋さん)で買えるものばかりで、間違っても、
「50cm x 20cmのお道具袋を縫ってきてください」
なんて言われません。
そしてオムツが必要な子でも、オムツ一つ一つに名前を書いてこいとは言われません。
使用済みオムツを親が持って帰らなければいけないこともありません。
給食は出る保育園が多い
デイケアの場合、給食は毎日用意してくれるところがほとんどで、月々の学費に給食費も含まれていることが多いです。
しかし中には、給食費は別で、給食を食べるかお弁当を持っていくか選べるところもあります。その場合、給食費はけっこう高額です。
息子の2番目のデイケアはまさにこのパターンで、1日の給食費がなんと5ドルでした(涙)。
そのぶんきちんと作ってくれていて(近くのレストランに園が外注していた)、息子も美味しいと喜んで食べていたので、
「冷めたお弁当より、みんなと同じメニューを温かい状態で食べる方がいいか・・・」
と思ってがんばって払っていたのですが、コロナの影響でなんとメニューが改悪され、ほぼ炭水化物オンリーの栄養価的にも貧しいランチになってしまい、その不満もあって結局その園は転園しました。
このようなことがあるので、保育園を選ぶときは、必ず
「給食費は学費に含まれますか? (Does the tuition include lunch fee?)」
「給食のメニュー表を見せてください (Can I see the Lunch menu?)」
を確認するといいですよ!
日本よりしっかりアレルギー対応してくれる
アメリカの教育界では、日本よりもアレルギーに対して敏感で、入園(入学)するときに、必ず、「アレルギー申告フォーム」なるものを書かされます。
アレルギーがある場合は、ここに、
- 何に対するアレルギーか
- どんなアレルギー反応が出るか
- 反応が出たらどう対処すればいいか
- どういうときに親に連絡すべきか
などをかなり細かく書き、その上でかかりつけの小児科医のサインをもらいます。
ちょっと面倒ですが、これを書くとアレルギーのある食べ物を絶対に食べさせないでいてくれるので親は安心です。
またアメリカではピーナッツアレルギーの子供が多いため、ほとんどの園でナッツフリー(あらゆるナッツの持ち込み禁止)をポリシーにしています。
また、ビーガン(ベジタリアン)の子供に向けた、お肉を使わない代替メニューを用意しているところも多いです。
うちのデイケアでは月末になると、メニュー表をメールで送ってくれ、
「代替メニューに代えたい日があれば申し出てください」
と、1日単位で代替に応じてくれます。
空きがあれば明日から通園可能
アメリカでは保育園もビジネス色が強めで、経営陣はとにかくクラスに空きを作らないように必死です。
なので、入学申し込み書類さえ揃えば、
「オーケー! いつからくる? 明日から?」
といったノリで、少々ロッカーなどの準備が整っていなくても素早く受け入れてくれます。これは、なるべく早く預けたい忙しいパパママにとってはとても嬉しい対応ですよね。
そのぶん、丁寧さや完璧さは日本よりもかなり劣るのですが(笑)、私はこのアメリカの臨機応変な、
「とりあえずやってみて、問題が出てきたらその時考える」
精神はなかなか好きで、自分も見習いたいと思っています。
祝日や長期休みや園によって様々
働くパパママにとっては重要な子供のお休み問題ですが、これ、アメリカでは園によって実に様々です。
すごく頑張ってくれる園は、長期休みが一切なく、連休はクリスマスとサンクスギビングの2日間(土日も入れると4連休)のみ!といった感じでとても助かります。
反対に、頑張らない園だと、新学期前の8月末にTeachers Education(先生の研修)なる謎の10日間の休みがあったり(そしてよくよく聞いてみると実は先生たちも休んでたり)、Fire Alarmの点検だとかいって前日連絡でいきなり1日休んだりします。
ナーサリー(幼稚園)だと、小学校と同じく2ヶ月間の夏休みがあったりと、休みはもっと多いです。
祝日に関しては、アメリカでは企業でも、
「うちはこの祝日は休むけどこの祝日は普通に出勤」
といった具合に、会社によって休む日と休まない日がまちまちです。
なので、保育園を選ぶときは、年間カレンダーを見せてもらって、その園が休みが多いかどうかを確認することをお勧めします。
バレンタイン等イベントでプレゼントを用意
アメリカでは、年間を通してプレゼントやカードを贈り合うイベントが多く、事あるごとにクラスメイトや先生にプチギフトをあげなければならないのが少し面倒です。
イベントをどの程度盛大にやるかは園にもよるので、雰囲気を見ながら馴染んでいくのが良いと思いますが、
- バレンタイン
- クリスマス
には、仲のいい子にだけでもちょっとしたお菓子とカード(手のひらサイズのToとFromの宛名を書くだけのカードならハードルが低いです)を用意しておくといいです。
ただ、アメリカでは、
「○○ちゃんに私はあげたのに、お返しが返ってこなかった・・・」
ということを根に持つ人は少ないので、一度くらいイベントの用意をミスってしまっても大丈夫。
次に忘れないようにすればそれでOKで、そこまで身構える必要はありません。
お誕生日にパーティーを企画
アメリカの保育園では、その子の誕生日にはランチタイムにささやかなパーティーを開いてくれるところが多いです。
といっても、パーティーに使うグッズやケーキは親が用意するところが多く、準備が大変です。
盛大なパーティーをする園なら、
- バースデーケーキ
- パーティー用の可愛いナプキンと紙コップ
- 飾りつけグッズ
- クラスメイト全員にあげるグッディバッグ
が必要ですが、あまり大げさにしないところなら、
- クラスメイト全員ぶん(と先生)のカップケーキ
- グッディバッグ
で十分です。
衛生面を気にする人が多いので、食べ物は手作りは避け、市販のものを用意しましょう。
なお、誕生日用のグッディバッグについては、こちらの記事で詳しく書いています。
日本より全体的なサービス水準は低い
最後に、
「アメリカの保育園では、日本と同じサービス水準を求めてはいけない」
という点をご説明します。
アメリカの保育園では、保護者に求める労力も少ないぶん、先生もそこまで教育熱心ではありません。
日本の先生のようにマメに連絡帳にその日にあったことを書いてくれたり、英語が苦手な日本人の子にうまく配慮して輪の中に入れてあげたり・・・といったきめ細かなケアは望めないので、そこは割り切りましょう。
また、持ち物が破損して返ってきたり(うちは日本から持ってきたお弁当のパッチン部分が割れていました)、保管していた着替えのストックを他の子に使われていたり、月々の学費の請求が間違っていたり・・・ということもわりとあります。
なので、
- 大事なものはそもそも保育園に持っていかない
- お金関係はきちんとチェックし、証拠を残す(重要なことは口頭ではなくメールでやるとりするよう頼む)
などの対策が必要です。
それでもどうしても我慢ならないことが起こったら、さっさと他の候補を見つけて転園してしまうのもアリです。
特に子供が人間関係でつまずいてしまった場合、先生やクラスメイトと安心して仲良くできるかどうかは、子供の今後の人格形成や英語力にも多分に影響してきます。
私はそれで息子が2年通ったデイケアを一度転園しているのですが、その後、新しいデイケアに元気に楽しそうに通っている息子を見て、
「すごく大変だったけれど、やっぱり変えてみて良かったな」
としみじみ思いました。少なくとも小学校の転校と比べると、保育園の転園は断然ラクなので、もし迷っている方がいらしたら、まずは違う保育園を一つ見つけて見学の予約をして、えいやっと動いてみるといいと思います。
アメリカの保育園事情|まとめ
さて、ここまでで、アメリカの保育園事情について、
- アメリカの保育園(デイケア)と幼稚園(ナーサリー)の違い
- 日本の保育園とは違うアメリカならではの事情
の2点をお話ししました。
なお、実際に保育園に電話したり、見学のアポを取ったり・・・という手続きに関して、こちらの記事でより実践的な情報をシェアしています。
慣れない外国で1から良さそうな保育園や幼稚園を探すのは骨が折れますが、皆さんのお子さんが毎日楽しんで通えるところが見つかるといいですね。応援しております!