こんにちは、ニューヨーク駐在妻のミイです。
アメリカのアパートに住んでいると、よっぽど運が良くない限り、次から次へと面白いくらいトラブルが起こります(笑)。
たとえば、私や友人の実体験ですが、
- 家が雨漏りする
- ゲジゲジが大量発生する
- エアコン代としてまさかの月500ドル請求される
- 間違えて家賃を700ドル多く請求される
など、日本(の都心部)では考えられない非常事態が起こります。
そんな住宅関係のトラブルを完全に防ぐ・・・ことはアメリカではほぼ不可能ですが、工夫次第で、トラブルが起こっても迅速に、ストレスなく解決することができます。
その工夫とは、ずばり、「良心的でしっかりしたアパートと契約する」こと。
そこで今回の記事では、
- 良心的なアパート管理会社や大家さんを選ぶコツ
- あとあと後悔しないフェアな賃貸契約を結ぶための注意点
- 解約時のトラブルを防ぐためにやっておくべきこと
について、アメリカの住宅事情を説明しながらご紹介していきますね。
なお、アメリカで住み心地の良い家を探すポイントについて知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。
アメリカのアパート管理会社や大家さん
まず、一番大事な、アパート管理会社や大家さんが良心的でしっかりしているか?というポイントについてです。
- きちんとした管理会社のアパートを選ぼう
- ポータルサイトはあるか?
- リースオフィスの有無や営業時間
以上の3点について、これからご説明していきますね。
きちんとした管理会社のアパートを選ぼう
アパートには大きく分けて、管理会社が運営しているものと、個人の大家さんが運営しているものの2種類があります。
どちらが良いかは好みもありますが、私はしっかりした管理会社が運営しているアパートをオススメします。
アメリカの家は日本と比べると不具合がよく発生するので(エアコンが突然壊れる、近所の騒音など)、そのたびに管理会社か大家さんに連絡する必要があります。
そして、その時に対応してくれるレベルが、管理会社と個人の大家さんでは大きく変わるのです。
個人の大家さんでも、良心的な人ならきちんと対応してくれますが、ケチな大家さんに当たってしまうと、「雨漏りするのにいつまでたっても屋根を修繕してくれない」など、かなりのストレスがかかる場合があります。
その点、いくつもアパートを経営している大きな管理会社なら、
「あー、雨漏りね。じゃあ、今日テクニシャン(アパートに常駐している技師さん)がそっちに直しに行きますから」
と、電話一本入れるだけで、すぐ直しに来てくれます。
なお、フレンドリーな大家さんの場合、稀ですがちょっとお茶したり、ホームパーティーに呼んだりといったお付き合いができる場合があります。
「アメリカ人と積極的に交流してみたい!」
という方は、そういう大家さんを選ぶと面白いかもしれません。
しかし、適度な距離を保ちたいわ・・・という方には、ビジネスライクの管理会社が経営するアパートをおすすめします。
ポータルサイトの有無を確認しよう
管理会社がしっかりしているアパートの特徴として、居住者向けのポータルサイトが充実しているという点があげられます。
サイトのログインページでIDとパスワードを入力すると、
- 家賃の支払いや口座引き落とし設定
- 備え付け家電や内装の修理依頼
- ご近所トラブルの仲裁
- シアタールームやバーベキューグリルなどの設備予約
などの各種手続きや問い合わせが、ネット上で簡単にできます。
特に、英語での会話が苦手な方にとっては、電話や対面ではなくネットで問い合わせられるのは大きなメリットだと思います。
また、ネット上で24時間いつでも好きな時に手続きや問い合わせができるので、何度電話してもなかなか繋がらなかったり、仕事を早退してリースオフィスの営業時間に合わせたり・・・といったストレスとは無縁です。
アパートにスタッフや修理技師が常駐しているか?
管理会社がしっかりしているアパートを選ぶ二つ目のポイントは、スタッフや修理技師が常駐しているか?という点です。
良いマンションには、たいていエントランスにリースオフィスという事務所があって、そこにスタッフや修理技師が常駐しています。
修理技師は、英語でサービステクニシャン(Service Technician)と言って、
- 備え付け家電の修理
- 水道管のつまりの解消
- 水漏れの修理
- 玄関の鍵交換
など、ありとあらゆる家の修理を請け負ってくれます。
ポータルサイトにログインして、サービスリクエストという依頼を出すと、きちんとしたアパートなら、その日か次の日には修理に来てくれます。
すごいアパートだと、サービスリクエストの内容が選択式(プルダウンの中から選ぶ)になっていて、リクエストすら自分で英語で書かなくて良いのでとてもラクです。
なお、アメリカのテクニシャンは、日本のように「3時に伺います」なんてきっちり時間指定をしてくれず、基本的にいつ来るかわかりません。
しかし、アパート常駐のテクニシャンなら、家を留守にしていても、マスターキーを使って勝手に入って修理しておいてくれるので、安心して外出できます。
「えー! 勝手に家の中に入られるの!?」
と、私も最初は驚きましたが、アメリカでは割と当たり前のことで、そのうち慣れます(笑)。
もちろん、どうしても留守中に入られたくない場合は、ポータルサイトでそのように設定できるのでご安心くださいね。
リースオフィスの営業時間
いくら立派なリースオフィスがあっても、営業日や営業時間が短すぎると、あまり意味がありません。
特に、一人暮らしの駐在員の方は、平日にリースオフィスとコンタクトを取るのは難しいと思うので、土日にオフィスが空いているアパートを選ぶと良いです。
フェアな賃貸契約を結ぶための注意点
さて、次に、あとあと「こんなはずじゃなかった・・・」と後悔しないための、賃貸契約で気をつけるべきポイントをご紹介します。
- 家賃の上昇率を確認しよう
- 何年契約にするか
- 家賃に駐車場代や設備費は含まれるか?
以上の3点について、順番に説明していきますね。
家賃の上昇率を確認しよう
日本の賃貸物件では、「家賃は10万」と契約したら、普通は契約更新のときも同じ値段ですよね。
しかし、ここアメリカでは、家賃は契約更新のたびに上がるのが普通です。
日本人の感覚からすると、
「既存顧客を囲い込むのってビジネスの基本じゃないの!?」
と驚きますが、ようは住人の回転率を上げて、敷金礼金をがっぽり稼ぎたいんですね。
そして、次の更新で家賃が何パーセント上がるか、というのは、アパートによってまちまちで、強気な人気物件だと、なんと10%上がることもあります。
そうやって1年ごとに値上げされ続け、やがて家賃を払いきれなくなって自腹で引越し・・・というアメリカ赴任者も中にはいるので、今後家賃がどの程度上がるかを最初に確認しておくことはとても重要です。
もちろん、レートは逐次変動するので、正確な数字は実際に契約更新するタイミングでしかわかりませんが、少なくとも、現時点でのレートはリースオフィスの担当者に聞けば教えてもらえます。
忘れずにチェックするようにしましょう。
何年で契約終了するか?
アメリカの賃貸契約も、日本と同様に1年契約が一般的です。
しかし、場合によっては、2年以上の契約ができることがあり、契約期間が長いほど家賃が割引されます。
なので、契約のたびに家賃が爆上がりする人気物件にどうしても住みたければ、2年以上の契約を結んで、家賃を固定して住み続けるという選択肢があります。
ただし、万が一アパートでの生活に不満があったり、家族構成が変わっったりして引っ越したくなった場合、1年契約なら1年待てば違約金なしで引越しできますが、2年契約だと2年縛りになるというリスクはあります。
家賃に駐車場代や設備費は含まれるか?
高級アパートで賃貸契約する時に気をつけたいのは、家賃以外の固定費がいくらかかるか?ということです。
ちょっと良いアパートでは、たいてい、
- ジム
- Wi-Fi付きラウンジ
- バーベキューグリル
- 子供用の公園(プレイルーム)
- シアタールーム
などの設備が整っており、その設備費(Amenity Fee)が家賃とは別にかかります。
そして、駐車場代、ゴミ収集代も別料金であることがほとんどです。
また、アパートによっては、水道代・電気代・ガス代を自分で個別に契約せずにアパートに支払うところもあります。
日本から駐在でアメリカに来ている場合は、会社から家賃補助を受けると思いますが、渋い会社だと(うちの夫の会社のことです:笑)、
「”家賃”という名目には補助を出すけど、その他の費用は自己負担ね!」
と、けんもほろろにあしらわれてしまいます。
そして、ここからがかなりグレーなのですが、中にはこれらの”家賃以外の項目”を、家賃と一緒くたに請求するアパートもあります。
そうなると、会社側からはどこまでが家賃でどこからが施設費かなんてわからないので、全額が補助の対象になります。
つまり、そのアパートの契約書や領収書の書き方ひとつで、施設費を会社に補助してもらえるか、自己負担になるかが変わるのです。
なので、駐在員がアメリカで賃貸契約を結ぶ際は、ダメ元で、
「請求書の”家賃”にその他費用も入れてくれない?」
と頼んでみることをおすすめします。
その上で、いくらを自己負担しなければいけないかを確認し、自分の経済状況に見合ったアパートを借りましょう。
解約トラブルを防ぐためにやっておくべきこと
最後に、アメリカのアパートを解約するときのトラブルを防ぐために、アパート契約の時にやっておくべき対策についてご紹介します。
日本でも、これから借りる物件に傷や凹み、汚れなどがあった場合、
「これはもともとあった不備で、私が壊したんじゃありませんよ」
という条項を契約書に盛り込みますよね。
それと同じことを、アメリカのアパートでもやっておく必要があります。
アメリカのアパート管理は、日本より良くも悪くも大らかなので、
- カーペットのシミ
- 水道の水漏れ
- 備え付け家電の故障
- 引き出しの底が抜けている
- 郵便受けの鍵が使えない
など、入居時に思いもよらぬ大胆な不備が見つかる場合がります。
大抵の場合、入居後1週間以内に報告すれば、後から契約に追加してもらえますが、こういう報告は早ければ早いほど良いです。
また、きちんと報告書を書いたのに、その報告書自体を紛失される、なんてトラブルもあるあるなので、自衛の意味で、不備のひとつひとつの写真を残しておきましょう。
今時のスマホやカメラの写真なら、撮影日の情報もきちんと残るので、何かあったときに役に立ちます。
アメリカのアパート探し|安心物件をフェアな家賃で契約するコツ:まとめ
さて、ここまでで、アメリカのアパート探しについて、
- 良心的なアパート管理会社や大家さんを選ぶコツ
- あとあと後悔しないフェアな賃貸契約を結ぶための注意点
- 解約時のトラブルを防ぐためにやっておくべきこと
の3点をご紹介しました。
さらに、
- 内装・備え付け家具
- 外観・設備
- 周辺環境
を選ぶコツについても知りたい方は、よろしければこちらの記事もご確認くださいね。
質問等ございましたら、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。