アメリカの粉ミルク(Similac)リコール問題の本質|他ブランドなら安全なのか?

アメリカの粉ミルク(Similac)リコール問題の本質
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こんにちは、ニューヨークで0歳児を育てているミイです。

2022年2月、アメリカの粉ミルク(Abott社のSimilacブランド)を飲んだ赤ちゃん2人が死亡し、それによりSimilac社の粉ミルクで大規模なリコールが発生しました。

その影響で、 Similacブランドのユーザーたちが続々と他の粉ミルクブランドに乗り換え、2022年5月現在もアメリカ全土で深刻な粉ミルクの供給不足が続いています。

しかし私は、

「Similacが危ないのはわかったけれど、じゃあ他のブランドなら安全なの?」

と疑問に思い、アメリカと日本の粉ミルクの安全性について調べてみることにしました。

すると、

「企業努力だけで再発を防ぐのはムリ」

という事実がわかったので、このブログで共有したいと思います。

  • Similac粉ミルクのリコールの概要
  • Similacが危ないなら、他のブランドを買えば安心なのか?
  • クロノバクター菌が粉ミルク缶に入るのは仕方ない?
  • 汚染された粉ミルクから赤ちゃんを守るには?

について書いていますので、興味のある方はどうぞ続きを読んでみてください。

なお、アメリカでの乳幼児子育てに関してはこちらの記事も人気です。

よろしければ合わせてご参照ください。

目次

Similac粉ミルクのリコールの概要

今回のSimilacの粉ミルクのリコールをざっくりまとめると、こんな感じです。

  • Similacブランドの粉ミルクを飲んだ赤ちゃんが5人入院し、2人死亡
  • 5人のうち4人がクロノバクター・サカザキイ属菌の感染による発症
  • 感染源の粉ミルクはいずれもミシガン州の工場で作られていた
  • 現在FDA(アメリカ食品医薬品局)がことの全容を調査中

赤ちゃんの命を守る母親(父親)としては、

「赤ちゃんが毎日飲むミルクに菌が混入していたなんて、とんでもない!」

という話ですよね。

なお、家に買い置きしているSimilacのミルク缶がリコール対象か調べたい方は、こちらの

Abbot社のリコール対応ページ ロット番号チェック

から確認できます。

Similacが危険ならEnfamilなら安全か?

アメリカの粉ミルクブランド市場では、下記の2大ブランドが大きなシェアを持っています。

  • Similac
  • Enfamil

なので今回、

「Similacは信用ならないから、Enfamilに乗り換えよう」

と思った方はとても多いのではないでしょうか。

しかし調べてみると、Enfamilでも過去何度かクロノバクター・サカザキイ属菌のによる汚染が問題となっており、

  • 2011年には新生児が1人死亡し、Walmartなどの主要スーパーがEnfamilを販売停止(メーカーリコールには至らず)
  • 2003年には類似菌エンテロバクター・サカザキイ属菌によるメーカー自主回収(犠牲者はなし)
  • 2001年にはEnfamilの姉妹ブランドPortagenで新生児1人死亡。原因はエンテロバクター・サカザキイ属菌。

が発生しており、完全に安全とは言い切れません。

粉ミルクの菌汚染はメーカー努力で防げないのか?

残念ながら、現在の技術では、クロノバクター・サカザキイ属菌やエンテロバクター・サカザキイ属菌を粉ミルク缶から完全に除去することは難しいようです。

日本の農林水産省がまとめたレポート(PDFです)を見つけたので、ご参考にリンクを貼っておきます。

農林水産省 食品安全に関するリスクプロファイルシート(細菌)

上記のレポート内容をざっくりまとめると、こんな感じです。

  • クロノバクター属菌(エンテロバクターもこの中に含まれる)は自然環境に浮遊しているありふれた菌
  • 乾燥に強く、水がない環境でも長期間生存できる
  • 毒性は弱く成人は重症化しないが、乳幼児が発症すると致死率は10-80%と高い
  • 日本で流通している粉ミルク149種のうち、9種(6%)から菌が検出された(2010年調べ)
  • 日本ではクロノバクター属菌による赤ちゃんの健康被害は報告されていない
  • 60度のお湯に3.6分さらすことにより、ミルク内の菌数を1/10に減らすことができる

以上の内容から、

「クロノバクター属菌から完全に守られた製品を探すことは難しいが、使用者が注意することで感染防止は可能」

と結論づけることができます。

汚染された粉ミルクから赤ちゃんを守るには?

WHOでは、赤ちゃんを粉ミルク経由のクロノバクター属菌から守るため、

  1. 調乳には70度以上のお湯を使う
  2. 調乳後はただちに冷やす
  3. 2時間以内に飲めなかったミルクは口をつけていなくても捨てる

というガイドラインを設定しています。

日本ではお湯で粉ミルクを調乳するのが常識ですが、アメリカでは、粉ミルクの缶を見ても、

「お湯で溶きましょう」

という記述はどこにもなく、常温の水で作るのが一般的です。

アメリカでは粉ミルクが原因の乳児死亡がたびたび起こるのに対し、日本では全く問題にならないのは、この調乳にかける手間の差が関係しているのだと思います。

私も、今までは、

「アメリカではこれが普通だし、常温でいいや」

と、今まで息子のミルクを常温の濾過水で作っていたのですが、これからはサボらずにお湯で作ろうと決心しました。

また、今回はたまたまSimilacが槍玉に挙げられていたけれど、結局どの粉ミルクブランドも完全ではないということがわかり、過度にSimilacを敬遠する必要もないと実感できたのも大きな収穫でした。

アメリカの粉ミルク大規模リコール裏事情|まとめ

さて、ここまでで、アメリカの粉ミルクのリコール問題とその危険性について、

  • アメリカ Similacブランドの粉ミルクがリコールされたが、他のブランドを使えば安心という訳でもない
  • 赤ちゃんの安全を守るには、1. お湯での調乳、2. 作り置きはしない、を徹底すべし

ということをお伝えしました。

きっと粉ミルク業界にとっては、

「あー、またクロノバクターか。Similacは運が悪かったな。パッケージに”調乳はお湯で”って書いたら防げるけれど、そんな面倒な商品だれも買わないしな。このままでいいや」

という認識なのだろうなと思うと、自分で正しい情報を1から調べる重要性を感じます。

こういったアメリカの闇の部分は、他のジャンルでもちょこちょこ感じることがあるので、また皆さんのお役に立てるような記事を書けるようがんばります。

なお、アメリカでの乳幼児子育てに関してはこちらの記事も人気です。

よろしければ合わせて読んでみてください。

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