こんにちは、ニューヨークで5歳児と0歳児を育てているミイです。
我が家の長男は絵本にほとんど興味がなく、寝る前の一冊すら面倒がって読まないような子でした。
せっかく読み聞かせしても、
- どんどんページをめくるだけで聞かない
- 飽きてどこかへ行ってしまう
- 全く関係ないことを話し始める
などして全く興味を持ってくれず、
「あんまり強制してもますます絵本嫌いになるし、どうしよう・・・」
と、途方に暮れていました。
しかし息子が3歳のとき、
「絵本自体が嫌いなのではなく、面白いと思える絵本にまだ巡り会えていないだけなのでは!?」
と発想を転換し、今までとは違う基準で絵本を選ぶようにしてみたところ、なんと大成功。
今では寝る前に必ず本棚に私を連れてきて、
「ママ、今日は何冊いい?」
と訊ねてくるようになりました。
そこでこの記事では、
- 絵本を読まない子でも興味を持つおすすめ絵本
を、「どんな基準で絵本を選べば成功するのか?」というコツを説明しながらご紹介していきたいと思います。
0歳〜1歳の絵本嫌いの子におすすめの仕掛け絵本
なかなか読み聞かせを聞いてくれない0歳、1歳、2歳の子にオススメしたい絵本は、
- ぴよちゃんとさわってあそぼ! めくってばぁ!
- なあに なあに
- どうぶつのあかちゃん
です。3つとも、
- 仕掛けをめくる楽しみがある
- ストーリーがパターン化されていてわかりやすい
という特徴があります。
かくれんぼ絵本 ぴよちゃんとさわってあそぼ!めくってばぁ!
絵本に興味がない0〜1歳の赤ちゃんにまず最初にオススメしたいのが、「ぴよちゃんとさわってあそぼ! めくってばぁ!」です。
絵本の一部がフェルト生地で覆われていて、その下にぴよちゃんのお友達が隠れています。
たとえば、下のページの緑の葉っぱをめくると、
こんな風に、あひるちゃんが隠れています。
赤ちゃん目線でのこの絵本のいいところは、
- めくったらママが必ず「ばあ!」と言う、というのが予測できて面白い
- 力一杯引っ張っても、フェルトなのでちぎれない
- 文が少ないのでどんどん次のページに行ける
- ストーリーがわかりやすい
というところです。
絵本嫌いの子は、まず、人の話を聞いて内容を理解するのが苦手です。そもそも、人の話を聞く気があまりありません(笑)。
なので、「書いてある文字の意味が全く分からなくても、それなりに楽しめる絵本」という基準で絵本を選ぶと、楽しんでくれることが多いです。
また、0歳1歳の、まだ絵本をかじったり破いたりしてしまう赤ちゃんには、
「少々手荒に扱っても壊れない絵本」
という軸で絵本を選んであげると、「あっ、ダメよ!」と叱らなくてよくなって親のストレスも減りますよ。
どうぶつのあかちゃん
次におすすめしたいのが、「どうぶつのあかちゃん」。
ひたすら動物の赤ちゃんの顔が出てくるだけの絵本で、大人にとっては、
「これ・・・何が面白いの?」
と疑問な絵本ですが、なぜか赤ちゃんにはバカ受けします。
下の画像のように、ツルンとしたまっさらな顔の上に穴あきページを乗せると・・・
いぬの顔に変身します。
ひたすら、
「かお・・・ねこのかお。かお・・・いぬのかお。かお・・・」
と続くだけなので、低月齢の赤ちゃんにも理解しやすく、楽しいようです。
我が家の長男も次男も大好きで、息子たちのお友達にもこの本のファンが何人かいるので、子供には何かたまらない魅力がある絵本なのだと思います。
必ずしも、「大人が読んで楽しい本=子供が読んで楽しい本」ではないのだな、という絵本選びの極意を私に教えてくれた、貴重な絵本となりました。
なあに なあに
「なあに なあに」は、ピンクの可愛いらしいイラストが魅力の絵本ですが、うちの息子たちの食いつきも良く、男の子にもおすすめです。
こんな風に、右の赤い丸がお日様のように見えますが・・・
ページをめくると、りんごだったことがわかります。この繰り返しです。
毎度毎度、「・・・とおもったらー!?」と繰り返すのが赤ちゃんにウケますし、全て身近なフルーツなので、赤ちゃんの興味も引きやすいです。
どうぶついろいろかくれんぼ
「どうぶついろいろかくれんぼ」は、仕掛け絵本で興味を引きつつ、楽しく遊びながら色の名前も教えてくれる、親としては一粒で二度美味しい絵本です。
下の画像のように、まず一面真っ黄色のページが出現して・・・
ページをめくると、それがライオンだったことがわかります。
動物の名前と色の名前をさりげなく英語でも書いてくれているところが、海外で子育てしている身としては大変助かります。
子供に英語に興味を持って欲しい方にもおすすめです。
ちょっと文章が長いので、子供によっては、親が読み終わるのを待てずにどんどんめくってしまうかもしれませんが、そういう場合は好きにめくらせてしまって、読める部分だけを早口で読みましょう。
絵本を読まない子に読書好きになってほしいと思うなら、
「まずは、好きなようにさせて、あまりうるさく言わない」
が鉄則です。なんなら、
「この黄色いの、誰かなー?」
「あっ、ライオンさんだったねー」
と、文章を全く読まずにアテレコして読み進めてしまっても構いません。
まずは、
「ママとパパと絵本を読むのって楽しいな」
と子供に思ってもらうことを第一目標に読み聞かせしてみてくださいね。
2歳の絵本嫌いの子におすすめの仕掛け絵本
2歳を過ぎてくると、絵本を好きな子と興味がない子の差がはっきりしてきて、親としては焦る時期ですよね。
私自身も、
「うちの子、まだ単語しかしゃべらない・・・私が読み聞かせをしていないから?」
と、不安な日々を過ごしたことをよく覚えています。
しかし、当たって砕けろ精神で色々な絵本を試すうちに、いつかは子供の好みにドンピシャの絵本に巡り合うはずなので、数ヶ月に1冊のペースでもいいので新しいものに挑戦してみてください。
だーれだ だれだ!
「だーれだ だれだ!」は、長男がほとんどの絵本を受け付けなくなった2歳のとき、自分から読んだ数少ない絵本です。
下の画像のように、かばくんのおうちで動物のみんながかくれんぼをします。左のページを引っ張ると・・・
お花の向こうに、うさぎさんが隠れていました。
よく見ると、うさぎさんが小さく「アチャ」と言っているのですが、このちょっとした掛け声が2歳の息子は大好きで、特にリスさんが見つかったときの、「フフフ」という声を、
「よくぞ私を見つけたな・・・」
という雰囲気で読んでやると、キャッキャと笑って何度も同じページを読むようせがんできました。
仕掛けを引っ張るとき、もったいぶってわざとゆーっくり引っ張ると、子供が
「はやくはやく!」
と興味を持ってどんどん絵本にのめり込んでくれるので、ぜひ試してみてください。
どんぐり
2歳の子って、どんぐりが大好きですよね。
そのどんぐりを、「これでもか!」というくらい擬態語をつけておもしろく描いたのがこちらの「どんぐり」です。
こんな風に、本物そっくりに描かれたどんぐりが「ポン!」と跳ねたり、コロコロ転がったり、山盛りに積みあがったり。
とにかく動きと擬態語が楽しい絵本なので、普通の物語の絵本はまともに聞いてくれない子でも、これなら興味を持ってくれるかもしれません。
後半は数え切れないくらいのどんぐりが山積みになって、
「好きなのどーれ!?」
と本が聞いてくれるなど、途中で飽きさせない工夫もばっちりで、特に男の子におすすめの絵本です。
きんぎょがにげた
「きんぎょがにげた」も、息子が初見から食いついた数少ない絵本です。
逃げた金魚を追いかけて探すストーリーで、
「あっ、きんぎょいた!」
と、興奮気味に指差ししてくれること請け合いです。
ある日、金魚鉢から突然逃げた金魚が・・・よく見ると、カーテンの絵柄に紛れて隠れています。
絵柄が独特でアートっぽいので、大人が読んでも楽しいです。
この絵本にハマりたての時(数日でブームは去りましたが・・・:涙)は何度も読んでとせがまれましたが、自分も好きな絵本だったので苦になりませんでした。
なーらんだ
「なーらんだ」は、ページいっぱいにとっ散らかったものをひたすら一列に並べる絵本です。
パタパタ好きに飛び回っている鳥さんが・・・
このように、電線に一列に並びます。
特に面白い仕掛けはないのですが、ストーリーのパターンがわかりやすく、絵本が苦手な子にも読んでもらいやすいです。
「だんだん絵本に興味を持つようになったし、そろそろ仕掛けのない普通の絵本にも挑戦してほしいなあ」
というときの第一歩として最適の絵本です。
はじめてのずかん555
「いろんな仕掛け絵本を読み聞かせてみたけど、やっぱり反応が鈍いなあ・・・」
という場合は、もしかしたらその子は「絵本ではなく図鑑タイプ」なのかもしれません。
我が家の長男はまさにこのタイプで、ストーリーは苦手でも、
「これは犬。これはパンダ」
と、ひたすら写真を見て名前を言っていくのが大好きでした。
この「はじめてのずかん555」は、説明や文章が一切ない、まさに写真と名前が書いてあるだけの子供図鑑なのです。
うちの長男は、このシンプルさがお気に召したのか、図鑑をクリスマスにおばあちゃんにプレゼントされてから、1ヶ月間ずっと寝る前の絵本はこれでした。
というより、この図鑑を読み始めてから、やっと寝る前の絵本の習慣が定着しました。
しかし、図鑑タイプの子がお気に入りの図鑑とめぐり合ってしまうと、その先ストーリー系の普通の絵本に全くと言うほど興味がなくなるのでそこだけ注意です(笑)。
3歳の絵本嫌いの子におすすめの仕掛け絵本
3歳ごろからはできることも増え、お友達とも少しずつ一緒に遊べるようになって、絵本嫌いの子はますます絵本どころではなくなりますよね(涙)。
そんな忙しい3歳児の興味を引くには、
「思わず二度見してしまうくらいインパクトがある絵本」
を選ぶのが効果的です。
今日のおやつは
「きょうのおやつは」は、1000円越えのちょっとリッチな絵本なのですが、そのぶん子供を惹きつける効果が絶大です。
この絵本、なんと一部が鏡張りになっていて、鏡に映った絵の奥行きを楽しむことができるのです。
たとえば上の画像のページでは、ボウルとその中身が半分しか描かれておらず、それを鏡に映し出すことでボウルの全体像が見えてきます。
牛乳がとくとく注がれる様子がすごくリアルで立体感があって、びっくりしますよね。
こんな風に、おやつにパンケーキを作る絵本なのですが、次はどんな絵が出てくるんだろう・・・と、大人も子供もわくわくしながらどんどんページをめくってしまいます。
お絵描きや工作が好きな子なら、きっと目をきらきらさせて夢中で読んでくれるはずですよ。
しろくまのパンツ
「しろくまのパンツ」は、思わずくすっと笑ってしまうおとぼけなシロクマが主人公の仕掛け絵本です。
しろくまさんがパンツを履いていないことに気づいて、相棒のねずみくんと一緒に自分のパンツを探しに行きます。
しかし、なぜか人のパンツばかり見つけてしまいます。
これ、誰のパンツだろう・・・と次のページをめくると、種明かし。
上の豚さんは、まあなんとなく予想がつきますが、他のパンツは、
「えー! この動物のだったの!?」
と予想外の展開ばかりで、大人も読んでいてちょっと楽しいです。
そして、最後のオチがなんとも味わい深く、
「おいおいしろくまさん、しっかりしてくれよ・・・」
とガックリくること請け合いです。
たべたのだあれ
「たべたのだあれ」は、2歳におすすめで既に前述した「きんぎょがにげた」の作者・五味太郎さんの絵本です。
下の画像を見ると、さくらんぼを食べたぞうさんだけ、尻尾にさくらんぼが生えています。
こんな風に、何匹かの動物の中から、食べ物をつまみ食いした犯人を探す絵本です。
3歳児なら、少し時間がかかるページはあっても、全てのページで犯人が見つけられる程度の難易度になっています。
文章はすべて「○○ たべたの だあれ」だけなので、少し言葉を付け足して、
「あっ、ほんとだね。上のぞうさんのしっぽに、さくらんぼが生えてるね。へんなのー!」
と言った具合に、「だれの・どこに・なにが」についてサラッとコメントするようにすると、子供の語彙力を増やすことができます。
いちごさんがね・・・
「いちごさんがね・・・」は、6個のいちごさんが雨にも負けず風にも負けず、目的地を目指してストイックに旅を続ける話です。
最初はどのページもひたすら、「いちごが ろっこ ずん ずん ずん」という一文だけ。
それなのに、きちんと面白いストーリーを感じられるのが、この絵本のすごいところです。
「もう文字なんか嫌い! 読みたくない!」と意固地になってしまった子に、絵本の楽しさをもう一度思い出させてあげることができます。
やはり文字数が少ないので、
「あっ、かえるさんが通せんぼしてる! もしかしていちごさん、食べられちゃうかも・・・」
などと実況中継しながら読むと良いですよ。
4歳〜5歳の絵本嫌いの子におすすめの仕掛け絵本
4歳を超えてくると、その子の個性や好みがはっきりしてくるので、その子の興味があるものを題材にした絵本を選ぶといいでしょう。
うちの長男は数字が大好きだったので、数える楽しみも持ち合わせた数の絵本をよく読みました。
1から100までの絵本
こちら、ストーリーの展開が全く読めない奇想天外な絵本、「1から100までのえほん」です。
コアラが海で遊んでいたらいきなり遭難するところから話が始まります(笑)。
1ページずつ左上に番号が振られており、その番号の数の何かが出てきます。
たとえば下の画像のページだと、左に13台のベッド、右に14人のお医者さんと看護師さんが出てきます。
息子はとにかくこれを一つ一つ数えるのが好きで、しかもこれが100まで続くので、読み終わるのに相当時間がかかりました(笑)。
しかしその甲斐あって、保育園の先生から、
「この子、ひとつも抜かさずに何個でも数えられて、足し算もすぐできるようになったし、一体何者!?」
とお褒めの言葉をいただいたので、あの親にとっては苦行でしかない地獄の読み聞かせタイムも無駄ではなかったんだなとジーンときています。
そらの100かいだてのいえ
「そらの100かいだてのいえ」も、もう何十回も読んだ息子お気に入りの絵本です。
シリーズ化されていて、「ちかの」「うみの」など色々なバージョンがありますが、息子は空が一番好きです。
腹ぺこのシジュウカラのツピ君が、ひまわりの種から花を咲かせて種をお腹いっぱい食べるため、空の住人に育て方を教わるというお話です。
上の画像のように、上下の見開きいっぱいに10階ずつ家が描かれており、見応えがあります。
10階区切りで家に住んでいる住人が変わり、雰囲気もガラッと変わるのが面白いです。
細部まで細かく描き込まれているため、絵をじいっと見ると文章以上の情報を得ることができ、
「くもさんがタンポポの綿毛を食べてるよ」
「くものベッド、フワフワで気持ち良さそうだね」
などと、絵を見ながら親子の会話が弾みやすいのも嬉しいポイント。
絵画方面に興味がある子におすすめしたい絵本です。
じごくのラーメンや
「じごくのラーメンや」は、息子と同じく絵本にあまり興味がない子のお母さんにオススメしてもらった絵本で、嬉しいことに我が子も見事にハマりました。
「地獄には美味しいケーキもおまんじゅうもない。地獄なんてだいきらい!」と言われて怒った閻魔さまが、地獄名物のラーメンを作ろうと思いつくお話です。
子供が大好きな「ラーメン」と、子供には馴染みのない「地獄」が組み合わさることで、
「じごくのラーメンって、なんだろう? ちょっと読んでみようかな?」
と興味をそそるようです。
地獄が題材ですが、全くシリアスではないお気楽な内容なので、子供が怖がることもなく安心して読んであげられます。
途中で京都弁が出てくるため、うまく読んであげれば、子供に方言について教えてあげることもできますよ。
絵本を読まない子の興味を引くオススメ絵本:まとめ
さて、ここまでで、絵本に興味がない子や読み聞かせを聞いてくれない子にぴったりの、読みやすい絵本をご紹介しました。
上記で紹介した絵本以外でも、
- 文字が少ない絵本
- 絵を見るだけで内容がわかる絵本
- ストーリーの予測がつきやすい絵本
- 絵にインパクトのある絵本
- 壊れにくい丈夫な絵本
- 子供の好きなものを題材にした絵本
を軸に根気強く探せば、その子にぴったりの、「読んで!」と何回も迫られるようなお気に入りの絵本が見つかるはずですよ。