こんにちは、アメリカ駐在妻のミイです。
皆さんは、
「アメリカにいる今こそ、ドルで利回りの良い投資をするチャンス!」
という話を聞いたことがありますか?
私も、「アメリカで投資をすると良いらしい」とは駐在初期から聞いていたのですが、
「もし損したら嫌だし、今お金に困っているわけじゃないし、まあいいか~」
と、長年投資とは縁のない駐在ライフを送っていました(笑)。
しかし、ジョージア州に住んでいた約1年前、縁あって日本人の保険ブローカーnaoさんと知り合いになり(なんと息子の体操教室でお友達になりました)、アメリカの投資の仕組みやリスクについて色々教えてもらいました。
その話が結構面白くてためになったので、今回の記事では私のように、
「投資に興味はあるけれど、なんだか難しそう・・・」
という方に向けて、
- アメリカの保険投資って、何がそんなにお得なの?
- 損するリスクはないの?
- いくらくらいから始められる?
- 途中で日本に帰国しても大丈夫?
- 何年でどれくらい利益が出るの?
- 保険に加入するにはどんな手続きが必要?
- 英語ができなくても大丈夫?
という情報をシェアしていきますね。
ただし、あくまでも私が聞いて理解した内容なので、詳細は専門のブローカーさんに相談されることをおすすめします。
生命保険なら元本割れなしの投資が可能
まず、
「投資にはいろいろな商品(株や投資信託、債券など)がある中、なぜ生命保険が良いの?」
というところから始めますね。
投資先として生命保険を選ぶメリットは、ざっくり4点あります。
- 数年続けるつもりなら、元本割れするリスクがほぼゼロ
- ローリスクなので、買った後はある程度ほったらかしてOK
- 一家の大黒柱に何かあっても死亡保障があるので安心
- 投資利益や死亡保障を受け取るときに税金がかからない
順番に、詳しく説明していきますね。
元本割れするリスクがほぼゼロ(年利0.75%の最低利回り保証)
私が特に「これは美味しい!」と思った生命保険は、株価指数の上下によって利回り率が決められる、インデックス型終身保険と呼ばれる種類の保険です。
毎月、アメリカの株式市場の動きに合わせて利率が変わるのですが、どんなに市場が悪い時でも、年利0.75%の最低利回りが保証されています。
株や投資信託を買うと、株価が落ちたら利益どころか損失が出てしまいますが、この保険なら、どんなに市場が下がっても確実に利回りが付き続けます。
年利0.75%というと、たとえば日本の三菱UFJの定期預金が0.002%の利率(2020年現在)なので、その375倍です。最低でもそれだけもらえる、というのはかなり心強いですよね。
ただし、生命保険では、毎月口座維持費などの手数料が引かれるため、保険に加入して数年間は、利益よりも引かれもの(手数料)の方が上回る状態が続きます。
(手数料は、保険購入直後は高いですが、年数が経つにつれてだんだん減っていき、最後はかなりの少額に落ち着きます)
なので、生命保険に入る際は、
「何年待てば利益が手数料を上回るか?」
という年数(損益分岐点)を見ることがとても重要です。
私が紹介を受けたインデックス型だと、だいたい7~15年後には収支がプラスになるので(毎月の保険料を多く入れるほど、早く損益分岐点が来ます)、それまで保険を解約しなければ、リスクゼロでCash Value(積み立てた保険料+利益ー手数料。保険口座に今入っているお金のこと)を増やすことができます。
逆に言うと、損益分岐点より前に解約してしまうと、却って損をしてしまうので、そうならないように、自分の資産状況に応じた無理のないプランを選ぶ必要があります。
生命保険は2つのタイプに分類することができ、
・定期保険 ー 掛け捨て。まさかのときは死亡保障だけを受け取ることができる。
・終身保険 ー 支払った保険料を元に運用されたお金も戻ってくる
という区別がつけられています。
つまり、終身保険は、生命保険という大枠の中の一つのタイプということです。
ローリスクなのである程度放ったらかせる
インデックス型終身保険は損するリスクがほぼゼロなので、加入した後は、毎月の最低の支払いさえきちんとしていれば、ある程度放ったらかすことができます。
損益をチェックする時も、過去の毎月の利回り率が極端に減っていないかオンラインで見るだけなので、初心者でも簡単にできます。
一家の大黒柱が亡くなっても路頭に迷わない
生命保険に加入する一番のメリットは、「大黒柱が亡くなっても何とかやっていける」という安心感です。
毎月積み立てる掛け金を高く設定すればするほど、被保険者が亡くなった時の受け取り死亡保障額を高くすることができます。
ちなみに、我が家はnaoさんに保険のシミュレーションを出してもらったことがあるのですが、うちの夫は月々198ドルの掛け金を支払えば、夫が亡くなったとき、
- 30万ドルの死亡保障金
- Cash Value(今まで払った保険料+投資利益ー手数料)
の両方を貰うことができるとのことでした。
死亡保障額を受け取るときに所得税がかからない
アメリカで生命保険を購入した場合、死亡保障金やCash Valueを受け取るときに所得税がかかりません。
これが例えば投資信託だと、アメリカでは最大20%の税金がかかってしまいますが、生命保険ならその心配は不要です。
所得税がかからないということは、英語で面倒な確定申告もしなくて良いということなので、その点も安心ですね。
アメリカの生命保険は日本よりお得?
次に、
「アメリカの生命保険は、なぜ日本のものよりお得なの?」
という点についてご説明していきます。理由は、この6点です。
- 利回り率が良い
- 被保険者が亡くなった場合、死亡保障額と掛け金がダブルでもらえるプランがある
- 死亡保障額やCash Valueを受け取る時に所得税がかからない
- 日本の一般的な生命保険のように、高齢になったからと言って死亡保障額が下がらない。
- 入金と出金のカスタマイズ性が高い
- 始めてすぐでも、Cash Valueがあれば保険口座から引き出して使う事が出来る
さっそく、詳しくお話していきますね。
アメリカの方が利回りが良い
アメリカと日本の投資用の生命保険を比べると、アメリカの方が数倍は利率が良いです。
私は大学生の時に、アフラックの「未来の自分が決める保険WAYS」という生命保険に加入しているのですが(月額いくらではなく、一括でポンと80万くらい払って、後は放ったらかしてあります)、計算してみると、60歳時点での年利の平均は約3%でした。
一方で、私が見積もってもらったアメリカの終身保険は、過去20年の年利の平均が約7~8%あります。
これはつまり、同じように保険を買って30年寝かせた場合、アメリカだと掛け金が3倍になるのに、日本だと2倍足らずにしかならないということです。
アメリカで保険を購入した場合、将来返ってくる死亡保障額はドル建てなので、日本で使う場合は両替したり日本の銀行口座に送金したりといった費用・手間はかかりますが、それを差し引いても、この利回りの差は大きいと思います。
アメリカでは、利回り率が市場に合わせて変動するインデックス型の保険が沢山存在するのに対して、日本では、ほとんどの保険で契約時に利回り率が固定され、景気に左右されることはありません。
ただし固定と言っても、1年目は○○%、2年目は△△%・・・と、年利は毎年少しずつ上がるように設定され、最初の数年間はマイナスからスタートします。
私の場合、5年目まではマイナスで、6年目から収支がプラスに転じました。
早く解約すると損をして、長く置けば置くほど利益が上がるという点は、日本もアメリカも共通です。
死亡保障額とCash Valueがダブルでもらえるプランに出来る
日本の生命保険では、被保険人が亡くなった場合は、死亡保障額のみが保険会社から支払われます。
しかし、アメリカの終身保険の中には、死亡保障額だけでなく、今まで入金した保険料を元に運用されて増えたCash Valueももらうことができるプラン(Indexed Universal Lifeプラン)があります。
我が家の場合、毎月198ドルを支払うプランで、これでたとえば夫が30年後に残念なことになった場合(ならないことを祈りますが)、
- 死亡保障額30万ドル
- 今まで入金した保険料をもとに育って増えたCash Value(利回り7%で増えれば、約13万ドル)
の両方をもらうことができる試算です。
13万ドルものお金が貰えるのと貰えないのでは、天地の差が出ますよね。
アメリカの終身保険は、ざっくり分けてこの3タイプに分類できます。
Whole life | 債券型。利率は低めで、亡くなった時に死亡保障しかもらえない。 | |
Indexed Universal Life | 株価指数型で元本保障あり。亡くなった時に死亡保障+cash valueの両方がもらえる。cash valueのみ価格が変動。 | |
Valuable | 亡くなった時に死亡保障+cash valueの両方がもらえる。株式市場によってcash valueも死亡保障も変動。投資信託の枠なので税金がかかる。 |
所得税がかからない
アメリカの生命保険ならではの特典は、まだまだあります。
日本の生命保険だと、いざ死亡保障額を受け取る段になると、そのお金に対して税金がかかります。
保険を払った人と受け取る人がイコールなら所得税、受取人が別なら贈与税もしくは相続税など、ケースバイケースでかかる税金の種類が変わり、一概に「○○%かかります」と断言はできませんが、たとえば所得税は年に700万円稼ぐ人なら23%かかります。
一方、アメリカでは、生命保険の保険料を支払うときには所得税が差し引かれたお金で支払いますが、受け取りの時は所得税はかかりません。
まとめると、こんな感じです。
保険購入時の税金 | 保険金受け取りの税金 | |
日本 | かからない | かかる |
アメリカ | かかる(保険料は所得税を引かれた所得で支払う) | 所得税がかからない |
後で払うか先に払うかだけの違いに見えますが、生命保険でお金をもらう時というのは、
- リタイア後でお金が出て行くばっかり
- 大黒柱が亡くなって生活に困っている
という状況なので、元気に働ける今のうちに所得税を払ってしまえるというのは大きなメリットです。
また、毎月ちょこちょこ入金する保険料よりも、一括でボンともらう(分割もできますが)死亡保障金のほうがはるかに高額になるため、それに対して所得税がかからないというのは魅力的だと思います。(所得が高額になればなるほど税率は高くなります)
入金と出金のカスタマイズ性が高い
日本の生命保険では、契約の途中で掛け金である保険料を変更することは難しいですし、将来もらえるリターンの受け取り方や、受け取り可能となる年齢も決まっています。
しかし、アメリカの生命保険は、契約の途中でいつでも掛け金の額を変更するプランにすることができます。
資金繰りが厳しい時は、支払いを中止することも可能ですし、逆に余裕資金ができた時は、一括でまとめてボンと振り込むこともできます。
(ただし、十分に掛け金が溜まっていない段階で支払いを中断してしまうと、利益よりも手数料が上回って証券は失効してしまいます)
受け取りに関しても自由自在で、何歳から何ドルずつ受け取るか、すべて自分で1から決めることができます。
日本語で問い合わせや手続きができる
最後に、私が紹介してもらった大手アメリカの保険会社は日本人の顧客も多いようで、なんと、カスタマーセンターに掛けると日本語サービスを依頼出来ます。
なので、英語が苦手な方でも、安心して問い合わせや手続きができます。
(ほとんどのことはネットでできるので、保険会社に直接電話をする機会はあまりないとは思いますが・・・)
死亡保障や積み立てたCash Valueは日本で受け取れる?
次に、
「契約中に日本に帰国しても問題ないの?」
というところをお話します。
結論から言うと、アメリカで開設した銀行口座を持ち続けられれば、何も問題ありません。
帰国後もアメリカの銀行口座を保持するには?
我が家はユニオンバンクユーザーなのですが、アメリカでユニオンバンクの口座を持ち続けるうえでの注意点としては、
- 口座に1500ドル以上キープしておかないと口座維持手数料が毎月引かれてしまう
- 一年間お金のやりとりがないと、口座が凍結されてしまう
- アメリカの源泉税免除を受けるために、3年に1度W-8BENフォームという書類を提出する必要がある(日本の三菱UFJ銀行経由で提出できる)(2020年現在の情報のため、今後変わる可能性あり)
- 帰国前に、登録住所を日本に変更する必要がある
この4つです。
これはあくまでユニオンバンクの場合の注意事項なので、他の銀行口座を使いたい場合は、ご自身で調べてみてくださいね。
お金のやり取りがないと口座が凍結、というのは恐ろしいですが、毎月保険の掛け金を自動引き落としにしておけば防げることなので、確実にドルを補充さえしておけば特に問題ないかと思います。
日本でCash Valueはどう受け取る?
アメリカの生命保険で貯めたCash Valueを受け取るには、アメリカの銀行口座が必要です。
Cash Valueはチェック(小切手)でも受け取ることができますが、アメリカで発行されたチェックは日本のほとんどの銀行では現金化できないので、口座振り込みを選ぶことをおすすめします。
(2020年現在、SMBC信託銀行に口座を持っていれば、アメリカのチェックを5000円の手数料で換金できるようです)
アメリカの銀行に振り込まれたcash valueを日本で使いたい場合は、両替と海外送金をする必要があります。どちらも手数料はかかりますがオンラインで取引できます。
日本で死亡保障金はどう受け取る?
死亡保障金は、保険契約の時に受取人として指定された人に支払われます。受取人は、どんな人でも、アメリカ国外に住んでいる人でも自由に設定することができます。
死亡保障金も、Cash Valueと同じく、チェックまたはアメリカの銀行口座への振込で支払われます。
分割で受け取ることも可能ですが、分割してついた利子にはアメリカの所得税がかかり、手続きが面倒になるので一括がオススメです。
元手資金はいくらあればいい?
では実際に、いくらずつ支払えば利益が出るのかをご紹介します。
これは、被保険者の年齢や健康状態、性別などのプロフィールによって変わるので、一概には言えません。
保険のブローカーさんにシミュレーションを依頼すると、その人に毎月掛けられる金額のミニマム値(生命保険として失効されない最低額)とマックス値(国に投資とみなされず所得税がかからない最高額)を算出してくれるので、その金額枠の中から、自分が月々いくらずつ払って行くかを決めます。
ちなみに、うちの夫(当時32歳)の場合は、ミニマムが198ドルで、マックスが546ドルでした。
少額だと利回りは悪く、高額で頑張るほど利益が上がりますが、掛け金自体はいつでも好きな時に変えられるので、まずは少額から始めて様子を見るのが良いと思います。
保険加入にはどんな手続きが必要?
実際にアメリカの生命保険に加入するには、下記の通りの手続きが必要です。
- ブローカーさんに保険のシミュレーションを出してもらう
- 保険の申し込みをする
- 健康診断を受ける
- 健康診断の結果をもとに手数料や保険料が確定
- 月々の掛け金を決める
- 契約書にサイン
日本だと、健康診断というと、
「ああ、保険会社指定の病院に行って受けるのね」
と思うと思いますが、なんとアメリカの保険会社は、お客さんの自宅まで健康診断をする資格がある審査担当者を派遣してくれます。
病院まで行く手間や、待合室で待つ時間をカットできるので便利です。
健康診断でもし不具合が見つかれば、健康リスクを抱えているということで、手数料が多めにかかるようになるため、
「いつかは生命保険に入ろうかなあ」
と思っているなら、少しでも若くて健康な今のうちに動いた方が良いです。
ちなみに、検査される内容は、主に以下の通りです。
- 血液検査
- 尿検査
- 体重&身長
- 過去の病歴の問診
州によっては、日本語の電話通訳サービスを使えることもあります(私が居たジョージア州では使えるようです)。
健康診断が無事に終わったら、いよいよ契約書にサインすることになりますが、
- アメリカのビザ(またはグリーンカード)
- アメリカの現住所
が必要です。
原則、アメリカに住んでいる今のうちしかアメリカの生命保険には加入できないので、ちかぢか帰国の予定がある方は急ぐ必要があります。
なお、私がお世話になったnaoさんのお客さんの中には、日本に帰国するフライトの当日に健康診断を受けて保険に加入したすごい方がいらっしゃるそうです(笑)。
なお、最近始まった話ですが、日本在住でアメリカにビザなどの滞在資格がなくても、一定の資産がある方は、アメリカで合法的にこういった生命保険で貯蓄ができる方法があるようです。
アメリカの生命保険で手堅くローリスク投資する方法:まとめ
さて、ここまでで、アメリカの生命保険について、下記のことをお伝えしました。
- アメリカの生命保険は日本より数倍お得
- 損するリスクがほぼゼロで投資初心者にも安心
- 大黒柱に何かあった時に心強い
- 途中で日本に帰国してもOK
- ビザとアメリカの現住所があれば手続き可能
- 日本語で問い合わせや手続き可能
日本人の平均寿命は、男性で81歳、女性で87歳です(2018年調べ)。
60歳で定年を迎えたとすると、それから女性なら27年も生きることになり、夫婦で定年後に必要なお金は1億円と言われています。
(夫婦で25年間 × 月38万円ずつ使って生きると1億円かかります)
それが我が家の場合、月額546ドルまで掛け金を上げて66歳まで頑張った場合、掛け金総額22万ドルがCash Value61万ドルにまで膨れる試算(利回りが今後も平均7%を維持できればの話ですが)なので、ドルの余裕資金がある方は試して損はないかと思います。