こんにちは、ニューヨーク駐在妻のミイです。
我が家の夫はマニアックなコーヒー狂でして、長らくコーヒーメーカーを愛用していましたが、
「やっぱりコーヒーメーカーじゃ真に美味しいコーヒーは作れない!!」
と言って、今ではこだわりの豆を買ってきてフィルターでドリップさせて飲んでいます。
「えー、自分で豆を挽いてドリップさせて・・・なんて面倒臭いこと毎日やってられないよ!」
と思う方も多いと思いますが(私が一番思いました。どうせすぐ飽きてやらなくなると思っていました:笑)、実際やってみると、コーヒーを一から淹れるのって意外と簡単で洗い物も少ないんですよね!
しかも、
- コーヒーメーカーのカプセルより、コーヒー豆の方が安くてコスパが良い
- キッチンの貴重なスペースを陣取っていた巨大なコーヒーメーカーを断捨離してスッキリできる
- コーヒーメーカーと違って器具を丸洗いできるので衛生的
- 陶器を割らない限り壊れる心配がなく、ずっと使える
と、予想外のメリットがさらに4つも出てきて、今となっては、
「夫よ! よくぞ決断してくれた!」
と褒め称えたい気持ちでいっぱいです(笑)。
ということで、今回の記事では、
- 自宅で簡単にコーヒー豆から美味しいコーヒーを淹れる方法
- 必要な器具(全て合わせて50ドル未満)
- アメリカでおすすめの美味しいコーヒー豆
- さらに本格派を目指したい人へ、自分で豆を挽く方法
- 専用器具を使ってエスプレッソを淹れる方法
についてご紹介します。
コーヒードリップとフィルターを買おう
アメリカの自宅で、豆から美味しいコーヒーを淹れるために必要な器具は、以下の2つだけです。
- コーヒーフィルター
- コーヒードリッパー
コーヒーフィルターとは、挽いた豆のエキスだけ抽出して豆は通さない濾過紙のことです。
そしてこのフィルターをマグカップの上に固定するのが、コーヒードリッパーです。
一杯ぶんを淹れたいだけなら、このようにドリッパーを直接マグカップの上に乗せて使います。
これなら、ドリッパー以外洗い物が出ないのでラクちんですよね。
ちなみに、
「一杯ぶんだけでなく、まとめてたくさん淹れたい!」
という場合は、同じHARIOのひとまわり大きいsize2(1-4杯ぶん)を選ぶと良いです。
下のセット商品は、おしゃれなグラスサーバーも付いてきておすすめです。
なお、アメリカで今一番人気のおしゃれなコーヒーショップといえばBluebottleですが、Bluebottleもオリジナルのドリッパーを出しています。が、残念ながらAmazonでは欠品しているようです、
BluebottleもHARIOも、機能性やブランド知名度はほぼ変わらず、Bluebottleの方がロゴがオシャレで割高です。
グラインド済みの(挽いてある)コーヒー豆を買おう
「まずはお手軽に、あまり面倒臭くない方法でコーヒーを楽しみたい」
という方におすすめなのが、すでにグラインド済みの(挽いてある)コーヒー豆です。英語では、Ground Coffeeという名前で売っています。(ちなみに、豚ひき肉は英語でGround Porkです。)
そのままサラサラとフィルターに入れてお湯を注ぐだけで、インスタントとは段違いの美味しいコーヒーを淹れることができます。
アメリカでGround Coffeeを買おうと思ったら、ブランドは上記の「INTELLIGENTSIA(インテリゲンツィア)」一択です。
というのも、やはりコーヒー豆は挽きたてかそうでないかで質が格段に変わるため、本当に美味しい良い豆は、そもそもグラインド済みでは売っていないんですよね。
しかしインテリゲンツィアは、高品質でありながらグラインド済みの豆を売ってくれるアメリカ唯一のブランドなので、
「自宅コーヒーの趣味をこれから始めてみたい! でもいきなり本格的すぎるのは続かないかも」
という方は、まずは簡単にグラインド済みインテリゲンツィアを試してみてください。そして、
「これで十分美味しい!」
と思えるならグラインド済みの豆を買い続ければ良いし、もっと高みを目指してみたくなったら、その時にまた自分でガリガリ豆を削ることを視野に入れると良いと思います。
挽きたてにこだわるならグラインダーも買おう
「手間をかけても良いから、もっともっと美味しいコーヒーを飲みたい!」
という方は、コーヒー豆を挽く用のグラインダーを買いましょう。グラインダーには手挽きと自動の二種類があり、それぞれメリットとデメリットがあります。
手挽きのおすすめコーヒーグラインダー
コーヒーグラインダーは、残念ながら手挽きのタイプでも50ドルくらいします(涙)。
もちろん、探せばもっと安いグラインダーはあるのですが、コーヒー豆は挽き方ひとつで旨味が出なかったり、渋みや酸味が強くなったりと、せっかくの豆の持ち味を台無しにしてしまいます。
なので、グラインダーを買うくらいコーヒーにこだわるのなら、お高くても品質の良いものを買うことをおすすめします。
自動のおすすめコーヒーグラインダー
うちの夫が絶賛して毎日ルンルンで使っているのが、こちらの自動グラインダーです。
最初は前述したHARIOの手挽きを使っていたのですが、あまりに面倒すぎてこちらのFELLOWのものに買い換えました。お値段は約300ドルです。
ということで、結局HARIOの手動タイプに払った50ドルは無駄になってしまったので、
「どうせなら最初から自動のを買えばよかったね・・・」
と、今となってはちょっと後悔しています。
しかし、自動のグラインダーもAmazonで他を検索してみると、100ドル以下のお手頃なものがゴロゴロ出てくるんですよね。
コーヒー素人の私としては、
「えっ! これで十分じゃない!? 300ドルってちょっと高すぎでは!?」
と思いましたが、FELLOWの自動グラインダーは、
- 挽く音が静かでストレスフリー(普通のグラインダーは爆音)
- 従来のグラインダーの約2倍の速さですぐ挽ける
- 挽き終わったら自動で止まる(スイッチを入れた後は放ったらかせる)
- 挽く細かさを微調整でき、完璧に自分好みのコーヒーにカスタマイズできる
- 豆をムラなく均一な細かさで挽くことができ、雑味をなくせる
- コンパクトで場所を取らない
- 洗練されたスタイリッシュなデザインでとにかくオシャレ
と、まさに痒いところに手が届く使いやすさらしく、
- どうせやるならとことん極めてみたい
- 長く愛用できるものが欲しい
というポリシーの方はご検討ください。
グラインドしていないコーヒー豆はAmazonで買ってはダメ
自分で手挽きするためのコーヒー豆を選ぼうと思ったら、まず最初にこだわるべきは産地でも風味でもなく、「鮮度」です。
コーヒー豆は煎りたてが一番美味しく、ローストしてから時間が経つにつれて、せっかくの香りや風味がどんどん飛んでしまいます。
なので美味しいコーヒーを選ぶ一番のコツは、ネットショップではなく実際のコーヒー豆専門店に行って、
「ロースト日(Rasted on: ○○/○○)が新しいか確認してから買う」
ということだったりします。
たとえば下のリンクのSTUMPTONブランドのHundred Mileという豆は夫のオススメのひとつなのですが、
アマゾンレビューを見ると、
「2月に注文したのに12月ローストの豆が来た! 古すぎる!」
というような低レビューが一定数あり、少なくともアマゾンで買うのは避けた方がいいでしょう。
とはいっても、
「いきなりコーヒー豆専門店に行くのは敷居が高い・・・」
「わざわざ買いに行くのが正直面倒くさい・・・」
ということもありますよね。そういう方におすすめなのが、
- コーヒー豆ブランドの直営サイトから購入する
- Whole Foods Marketで普段の買い物のついでに購入する
です。
有名ブランドが直営している販売サイトなら、ブランドの面子にかけてまず古い豆は出荷しません。
夫の一押しはBluebottle CoffeeのGiant Stepという豆で、バランスのとれた「これぞ王道コーヒー!」という感じの味です。ミルクを入れても美味しいです。
またWhole Foods Marketには、ブルックリンの超人気コーヒー店Partnersの豆が置いてあり、特にBrazil Santa Luciaという豆が美味しくてオススメですよ。
コーヒーの美味しい淹れ方
自宅で美味しいコーヒーをなるべく簡単に淹れる手順は、以下の通りです。
コーヒー豆と水の分量の比率は、 1:15が黄金比です。Bluebottleなんかは濃い目の1:12を推奨していますが、まずは一番オーソドックスな比率で始めてお好みで調整しましょう。
300mlのマグ(アメリカの標準サイズ:日本人にはやや大きめ)を用意して、20gの豆を使う、と覚えると便利です。
次に、コーヒー豆をお好みの細かさに挽きます(グラインド済みの豆を使う場合はこの工程は飛ばします)。
コーヒー豆は、細かく挽くとフィルターを通るのに時間がかかり、味が濃くなります。粗く挽くとお湯がするっと通って大味になります。
最近は細か目でしっかり味わうのがトレンドで、我が家のグラインダーも31段階の7番目に細かい(3のメモリのところ)に設定しています。
酸味や苦みが少ないライトブレンドは細か目、深煎りやクセの強いコーヒーは粗めに挽くと良いですが、個人の好みもあるので色々試してみてくださいね。
必要な分量の水をポットで沸かします。温度はそこまで気にせず、沸騰したら使う、でOKです。
ドリッパーとフィルターをマグカップ(またはコーヒーサーバー)の上にセットします。
万全を期すなら、フィルターにあらかじめ軽くお湯を注いで、紙のにおいを飛ばすと良いです。湯通しした後のお湯はもちろん捨てます。しかし面倒ならこの工程は省いても構いません。
グラインドしたコーヒー豆をフィルターに乗せます。
まずは少しだけお湯を注いで、コーヒー豆を蒸らします。英語ではこの工程をBROOM(咲かせる)と言います。
注ぐ量は、すべての豆が濡れるくらい。真ん中から注ぎ始めて、のの字を書くように一周します。
が、のの字と言われても、注ぎ口の大きな普通のケトルだとそんな微調整は難しいですよね。そんな場合は無理しなくてもOKです。
どうしてもこだわりたい方は、注ぎ口の小さいグースネックと呼ばれるケトルを使うとうまくいきますよ。
この蒸らしをすると、カフェオレのような泡がモコモコとたちますが、これは豆に含まれていた空気(炭酸ガス)が排出されるからで、こうやって空気を抜くことで豆の表面積を広くし、しっかり風味を抽出できるようになります。
理想的なブルーム時間は、お湯を注いでから30秒(早すぎても遅すぎてもまずくなる)と言われていますが、うちの夫はせっかちで、お湯がすべてフィルターから落ちたらもう次を注いでいます。
ここで、
「お湯が落ちる速度が遅すぎる・・・」
「フィルターが詰まってしまった・・・」
と思ったら、それは豆が細かすぎるということなので、次回からはもう少し粗めに挽くといいです。
なお、
「最近ブルームの泡立ちが悪くなったな・・・」
と思ったら、それは豆から香りが抜けてきているサインです。早めに飲みきるようにしましょう。
蒸らしが終わったら、今度はドリッパーの限界までお湯をたくさん注ぎます。
たくさんといっても、水流は控えめに。そうっとちょろちょろ、のの字を書くように注ぎましょう。
そして2割くらいのお湯が下にドリップされたところで、マグカップごとドリッパーをクルクル回します。ドリッパーを傾けずにスッとまっすぐ上に持ち上げて、円を描くように揺らしましょう。
こうすることで、豆の表面が平らになり、すべての豆からまんべんなく均等に味を抽出することができます。
ポットの中のお湯をすべて使い切るまで、お湯を注いでドリッパーを回して、という工程を繰り返しましょう。
なお、お湯が濾過されてマグに落ちる速度は、「ぽちょんぽちょん」と雫で落ちてきていたら遅いです。
淀みなく「てててててー」と落ちるくらいが、バランスのとれた味になるちょうど良い速度となります。豆の細かさで調節してみてください。
すべてのお湯がドリップされ終わったら、美味しいコーヒーの出来上がりです。
以上が、我が家が考える(そして素人でも実践できる)コーヒーの淹れ方ですが、極限までこだわりたい方には、下記のJames Hoffmannというプロの方の淹れ方動画を見ることをおすすめします。
最初に使う水の説明からし始めるので驚きますが(笑)、うちの夫はこの動画を参考にして、自分にできそうなことだけ取り入れているようです。
エスプレッソも自宅で作れる!
実は専用器具を買い足すことで、なんとエスプレッソやカプチーノまで自宅で作れるようになってしまいます。
我が家が持っているのはこちらのBialetti(ビアレッティ)というブランドのBrikkaシリーズで、少量のお湯で高圧力をかけ、コーヒー豆の旨味を最大限引き出したエスプレッソを淹れることができます。
プロのバリスタに言わせると、このブリッカで作ったエスプレッソは真のエスプレッソではないのですが(プロ仕様の機械は圧力の数値が凄まじい)、プロ仕様の機械はとんでもなく大きく高額なため一般家庭ではまず買えません。
また、よっぽどのソムリエ級の舌でもない限り味の違いはわからないので、
- エスプレッソを自宅でいつでも楽しみたい
- コスパ良くエスプレッソを飲みたい
- 色んな豆でエスプレッソを淹れてみたい
と言う方におすすめです。
エスプレッソメーカーの使い方に関しては、また別途記事を書こうと思いますが(今日はもう力尽きました・・・笑)、参考になる淹れ方動画をひとつ挙げておきますね。
こちらの動画は、淹れ方だけでなく、失敗するとどうなるかまで実演して見せてくれるので解りやすいです。
アメリカの自宅で美味しいコーヒーを淹れる方法:まとめ
さて、ここまでで、アメリカで美味しいコーヒーを豆から淹れる方法について、
- 必要な器具とおすすめブランド
- 初心者はまずグラインドコーヒーから始めよう
- 極めたくなったら自分で豆を挽いてみよう
- おすすめの美味しいコーヒー豆
- 美味しいコーヒーの淹れ方
- エスプレッソやカプチーノも自宅で作れる
の6点をご紹介しました。
色々と細かく解説してしまいましたが、豆から淹れている時点で確実にインスタントよりは美味しいはずなので、まずはそこまで器具や手順にこだわりすぎずに気楽に始めてみてくださいね。