海外で育児

アメリカで確実に良い小児科医を探す方法

アメリカでは一般に、妊娠したら出産日までに赤ちゃんのかかりつけの小児科医(Pediatrician)を決めておくのが普通です。

私も、妊娠8ヶ月目の2017年1月から息子の小児科を探し始め、2月後半に「この先生にしよう!」と決めました。

せっかく貴重な経験をしたので、何をどう調べたか、ドクターのどんなところを見て判断したか、などのポイントを記事にしてみます。

小児科を探し始めるまで

アメリカでは、予定日が近づいてくると、産婦人科医(Ob-Gyn)から「そろそろかかりつけの小児科は決めた?」と聞かれます。

これは、出産データ(赤ちゃんの身長、体重、頭囲や分娩方法など)や注意すべきことなどを小児科へ引き継ぐためで、予定日までには必ずかかりつけ小児科を選び、Ob-Gynに連絡しておかなければいけません

選ぶ方法は人それぞれで、中には知人の口コミなどを頼りに、直接その小児科医と会わないまま「えいやっ」と決めてしまう人もいます。しかしアメリカでは、小児科に面談(Doctor Interview)のアポを取り、実際に病院を見学してから決める人が多いです。

私も、100%満足できる小児科を慎重に選びたかったので(気に入らないからやっぱり転院!となるのも面倒なので:笑)、下記の条件をもとに、気に入るドクターが見つかるまで根気強くインタビューすることにしました。

ミイの小児科探しの条件

  • ドクターが親切
  • 受付の人が親切
  • 私の下手な英語を急かさずに聞いてくれる
  • わかるまで丁寧に説明してくれる
  • うちの持っている医療保険が使える
  • 緊急の時にすぐ診てくれる
  • 近所で評判が良い
  • 家から車で20分以内
  • 待ち時間が短い
  • 1日に何本も一気に予防接種を打たない
  • ミルクより母乳推奨
  • オフィスに清潔感がある

小児科医を見つける

そんなこんなで、私が小児科探しのためにまず最初にやったのは、子供のいる知り合いに片っ端からおすすめのドクターを聞くことでした。

生の声に勝る情報はないので、知り合いの口コミをもとに良いドクターを見つけられたら、それがベストだと思います。が、私の場合、せっかく勧めてもらっても家から遠くて通えなかったりして、「これだ!」と思うドクターの情報が集められませんでした。

そこで、Google MapやYelp(大手口コミサイト)でPediatricsと入力して検索し、家の近くにあって評価の良い小児科オフィスをいくつか調べました。

今時、たいていの小児科オフィスには公式サイトがあるので、「診療時間」「そのオフィスに勤めている小児科医の人数」「ドクターの経歴」「緊急時にどう対応してくれるか」などの情報も拾いました。

調べていくうちに、アメリカの病院は複数のドクターがローテーションして業務を回すグループ診療型(Group Practice)と、オフィスにドクターが一人だけの個人診療型(Solo Practice)に分けることができ、そのどちらを選択するかが重要なキーポイントとなることに気づきました。

ご参考までに、グループ診療型と個人診療型のそれぞれの特徴を簡単なリストにしてみますね。

グループ診療型の特徴

  • 朝早くから夜遅くまで開いている。夜間や休祝日でも電話や診療を受け付けてくれるところもある
  • 担当医が休暇などで不在でも他の先生が対応してくれる
  • 常に同じドクターが担当してくれるとは限らない
  • ドクター同士がどの程度連携しているか謎
  • 長時間勤務や夜勤でドクターがお疲れ気味
  • ビジネスライクで事務的。やや冷たい印象(あくまで私の個人的な感想です)

個人診療型の特徴

  • 一人の先生がずっと担当してくれるので信頼関係を築きやすい
  • 一人の患者をじっくりと時間をとって診てくれる
  • 先生が休暇に入ると、長期間診てもらえない
  • 緊急時に迅速な対応は期待できない

なお、ドクターにはM.D.とD.O.の2種類の肩書きがありますが、現在アメリカでは両者は同等らしいので気にする必要はありません。

ただし、さらにその後ろにFAAPという肩書きがある場合、これはFellow of the American Academy of Pediatricsの略で、米国小児科学会の認定大学で既定のプログラムを受けて卒業したという意味で、ある方が安心です。

電話で面談のアポをとる

病院の事前リサーチを終えた私は、「ここ良さそう!」と思った4軒の病院に電話をかけてみました。

電話予約のときに親切に対応してくれるかどうかも病院選びの大切なポイントなので、意識してチェックしてみるといいと思います。

ちなみに、私が電話でどんなことを話したか、参考までに英文を書いておきますね。

 お腹の赤ちゃんのホームドクターを探しています。

 I’m looking for a pediatrician for my upcoming baby.

 新規患者を受け付けていますか?

 Do you accept new patients?

 面談にお金はかかりますか?

 Do you charge for interviews?

 そちらのオフィスで私の医療保険は使えますか?

 Could you check if you accept my insurance?

 平日の何時まで予約を受け付けていますか?(なるべく遅い時間が良いのですが)

 What time is your latest appointments on weekdays?

面談

面談では、だいたい20-30分くらいドクターと話すことができます。ドクターから5分くらい簡単な説明を受けた後、こちらの質問に答えてもらえます。

私は当日に慌てないように、あらかじめ質問したい内容をリストにして用意しておきました。ご参考までに、質問リストを載せておきます。

 どの総合病院と提携していますか?

 Which hospitals are you affiliated with?

 出産直後に赤ちゃんの様子を見に総合病院まで来てくれますか?それとも退院後、あなたのオフィスに行くのが最初の対面になりますか?

 Will you see my newborn at the hospital or at my first visit?

 診療受付時間を教えてください。

 What are your office hours?

 診療時間外に連絡はつきますか?

 How can I reach you if my baby gets sick after office hours?

 電話がつながらないときはどうしたらいいですか?

 What should I do when I am not able to reach you?

 緊急でアポを取りたいときどれくらいで診てもらえますか?

 How long does it take to get an emergency appointment?

 その日のうちに診てもらえますか?

 Can I see you on the day I call you?

 母乳と粉ミルクに対する意見を教えてください。

 What are your views on breastfeeding versus bottle-feeding?

 一度に何種類のワクチンを打ちますか?

 How many different types of vaccines do you give at one visit?

また、ドクターへの質問以外でも、

  • 待合室で長時間待たされない
  • オフィスがキレイ
  • 受付の人が優しい
  • 駐車場に十分なロットがある

などの点もチェックすると良いと思います。



実際に調べた小児科医の感想

私は結局、合計4軒の病院に電話をかけ、実際に3軒に面談に行きました。

それぞれのオフィスの特徴と、私がどう感じたかについて、ご紹介します。

Village Pediatrics

私が最初に訪問したオフィスです。家から車で10分で、知り合いから良いドクターがいるとお墨付きももらって期待大でしたが、残念ながらはずれでした。

まず、電話してみると、「うちは面談は受け付けていなくて、代わりにプレママ・プレパパのための説明会がある」と言われて説明会に行きました。

その説明会というのが、5組くらいのカップルを待合室の椅子に座らせて、ドクター3人(グループ診療のオフィスでした)が15分くらいそのオフィスの特徴を話してくれるというもので、実際の診療室やその他施設を見せてくれたりはしませんでした。話し方も早口で、事務的な冷たい印象を受けました

最後の質問コーナーでうちの加入している保険が使えるか質問したところ、「保険会社に自分で問い合わせて」で終了。良い立地で待合室もきれいでしたが、そのぶん多少サービスがおざなりでも集客に困らないんだろうなあという感じでした。

Dr. Raffi Tingir’s Office

個人診療型の小さなオフィスで、家から高速を飛ばして15分とやや遠いですが、知り合いのベテランママさんが大絶賛していたのと、前回のVillage Pediatricsに行ってグループ診療型にやや不信感が芽生えたので、2軒目に選びました。結果、大正解でした。

先生はおそらくヨーロッパ系で英語が母国語ではないようで、ややゆっくりめに易しい言葉で話してくれるので聞き取りやすい!さらに、柔らかい雰囲気でゆったりと構えてくれるので質問しやすい!

診療業務以外にも大学で教鞭もとっているということで、明確に診療受付時間が定まっていないのと、緊急時や夜間にすぐに先生と連絡がつかなそうという欠点はありましたが、まあまさかの時は総合病院のEmergency Roomに駆け込めばいいと考えて、ホームドクターはこの先生にお願いすることに決めました。

「母乳育児を推奨」「赤ちゃんの負担を考えてワクチンは一度に2種類までしか打たない」というドクターのポリシーにも共感できました。

Manhasset Pediatrics

3軒目がこちら。インタビューを予約しようと電話はかけましたが、サービスが悪くて結局予約はせず、それっきりとなりました。

具体的に気になったことは、

  • 面談をするだけで$50(しかも保険適用外)の請求が発生(他の小児科は全てタダだった)
  • インタビューしたいなら朝の8:50(オフィスが開く前)に来ないとダメ
  • 面談時間に20分以上遅れると自動的に予約がキャンセルされる
  • 私の入っている保険が使えるかどうか、病院側では確認してくれない

というところが、ちょっと不親切で高飛車だなと感じました。

特に、保険が使えるか使えないかの確認がとても厳しく、

あなたの保険の区分は”PPO”・”EPO”・”HMO”のうちどれですか?それがわからないと予約を受けられません。

と、言われてしまいました。全く知識がなかった私はお手上げ状態で、

それって、何の区分なんでしょうか? 保険カードを見ても書いていないみたいなんですが・・・

と質問して見たのですが、答えてもらえず、「とにかく自分で調べて」と言われて電話を切られてしまいました。

その後、保険会社に電話して私の保険は”PPO”であると教えてもらい、保険の区分について知識を得ました。

アメリカの医療保険の区分

  • PPO  –  一番手厚い。保険会社と契約している医師や医療機関以外でも保険が使える
  • EPO  –  まあまあ手厚い。保険会社と契約している医師や医療機関以外では、緊急時にしか保険が使えない
  • HMO  –  あまり手厚くない。保険会社と契約している医師や医療機関以外で保険が使えず、さらに主治医を通さないと他の医師にかかることができない

というわけで、無事疑問点は解決したものの、この調子だと何かわからないことがあるたびに「自分で調べて」と突っぱねられるのかなあ・・・と不安になり、このオフィスは諦めることにしました。

前述したDr.TIngirのオフィスでは、保険会社名とカードID番号を伝えるだけで私の保険が使えるかどうか調べてくれたので、そこよりもサービスの悪いこのオフィスのお世話になる気にはなりませんでした。

University Plaza Pediatrics

最後に面談したオフィスがここ。6人のドクターからなるグループ診療型です。

家から車で5分の好立地で、なんと24時間ドクターが常駐していつでも電話を受け付け、さらに土日の午前中も診療してくれるという点が気に入りました。

オフィスに着いてまず驚いたのが、健康な人(定期検診などで来た)用の入口と病人用の入口が分かれており、院内で病気に感染するリスクを抑える工夫がされていたこと。

受付や診察室もきれいで近代的で、かなり期待が膨らみましたが、面談を担当してくれたDr. Maria Bourniasと話してみて、やはりホームドクターはDr.Raffi Tingerにお願いしようと思いました。

Dr. Maria Bourniasも忙しい中、私たちが満足するまで時間をとってくれて、さらに出産後について沢山アドバイスもしてくれて好印象だったのですが、やや早口で聞き取りづらく、なにより目の下のくまがすごい。これから当直だということでしたが、見るからに疲れていました。

そして判断の決め手となったのが、「個人診療型とグループ診療型のそれぞれのメリットデメリットを教えて」と質問すると、「個人診療型は今の時代、もはやDead Species(絶滅危惧種)だ」と答えたことでした。

そこまで強い言葉を使うのだから、決め手となる理由がたくさんあるんだろうと思って話を聞くと、あまり具体的な根拠は出てこなくて「あれ・・・?」と思いました。

そして、「一度に何種類ものワクチンを打つのは抵抗があるのですが」と質問すると、「特別に何回かにわけてスケジュールを組むこともできるけど、私の経験(16年このオフィスに勤続しているとのこと)からして複数のワクチンを同時に打っても問題ない」との回答があり、それが異論を認めないきっぱりとした口調だったのが少し気になりました。

我が家の結論

ということで、うちの子のホームドクターはDr.Raffi Tingerにお願いすることにしました。その理由は、以下の通りです。

  • 信頼できるママ友に勧められた
  • インタビューの時間を個別にたっぷりとってくれた
  • 先生が親切にゆっくり話してくれて聞き取りやすかった
  • 母乳推奨・ワクチンは一回に2種類まで、などの先生のポリシーに共感できた
  • 受付の人やオフィス内の感じも良かった

定期検診や予防注射、子供の発育や育児についての相談といった緊急でない用件については親切で丁寧なDr.Raffi Tingerにお世話になり、緊急のときは24時間対応のUniversity Plaza Pediatricsに連れて行っていいとこどりをしようと思います。

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