こんにちは、ニューヨーク駐在妻のミイです。
実は私はいま、アメリカでペアレントトレーニングのコーチング資格を取るべく、オンラインで講座を受けて勉強しています。
ペアレントトレーニングとは、親または子供の養育者が、より良い育児をするためのノウハウを教えるトレーニングのことで、
- 子供の発達や自己肯定感を促進させるコミュニケーション方法
- 子供の問題行動を減らすしつけ方法
- 育児のストレスやイライラを軽減する方法
などを学ぶことができます。
まさに、世のお母さんが「そんな方法があるなら是非教えて!」と思うようなノウハウが満載で、アメリカではカルチャースクールや図書館などで気軽に講習が受けられます。
しかし、日本ではまだまだ認知度が低い!ということで、今回の記事では、このペアレントトレーニングについて、
- ペアレントトレーニングって何?
- どんなことが学べるの?
- どんな効果があるの?
- どこで学べるの?
ということをご紹介したいと思います。
ペアレントトレーニングとは?
ペアレントトレーニングでは、子供のコミュニケーション能力や社会性を発達させるための、心理学的なアプローチを学ぶことができます。
ペアレントトレーニングとは、1960年代にアメリカの児童心理学者によって開発されたメソッドで、もともとは、癇癪やお友達を叩いてしまうなどの子供の問題行動を改善するためのプログラムです。
子供が問題行動を起こす原因は、適切な社会性(善悪の判断・我慢する力・共感力・コミュニケーション力など)が身についていないからで、それを親のしつけや接し方を改善することで、子供に習得させようというのがペアレントトレーニングの目的です。
アメリカでは、3歳から17歳の子供のうち、なんと13.8%がADHDもしくは学習障害(LD)と診断されているため(米CDC調べ,2016-2018年)、
「子供の問題行動にどう向き合うか?」
という研究が、日本よりも進んでいるんですね。
「発達障害の子が対象なんだったら、うちの子は関係ないわ」
と思う方もいらっしゃると思いますが、ペアレントトレーニングは、いわば、「子供をよりよく導くための究極のしつけ法」です。
- 子供がなかなか言うことを聞かない
- 何回も叱っているのに効果がない
- イライラして大声で叱りつけてしまう自分が嫌になる
- 親が見ていない時に悪いことをする
- 子供になめられてしまっている
などの悩みを持つすべての方に、役に立つ内容だと思います。
ペアレントトレーニングで学べること
ペアレントトレーニングで学べることをざっと挙げてみると、こんな感じです。
- 子育てでイライラしないためのストレス対処法(アンガーマネジメント)
- 子供のことをわかってあげるための共感力
- やって良いことと悪いことの境界の定め方
- 効果的なご褒美と罰の与え方
- 子供や家族を理解するためのコミュニケーション方法
- 子育ての4つのタイプ分類とその効果
- 離婚や再婚後の子供のケア
- 元パートナーや新パートナーとの協力方法
これらを学んでみて、私が一番面白いと思ったのが、
「子供の問題より先に、まず親の問題を片付けなくてはならない」
ということです。
子供は親を見て育ちますので、親のストレス処理やコミュニケーションに問題があると、子供も遅かれ早かれ同じような問題を抱えるようになります(たまに、反面教師でたくましく育つ子もいますが・・・)。
なので、まず親が前向きに気持ちよく育児するために、
- ストレスは、ストレスの原因をどう受け止めるかで減らせる
- パートナーとの口論を、建設的な話し合いに変える方法
- 相手の気持ちを思いやりながらこちらの要求を伝える方法
など、もはや家庭の枠を飛び越えて、ビジネスでも使えそうなノウハウを学ぶことができます。
また、しつけや子供との関わり方についても、今まで自己流でなんとなーくやってきたことについて、
「こう言う場合はこうしましょう」
という明確な指標が与えられるので、育児で悩んだり迷ったりする時間が減りました。
ペアレントトレーニングの効果
次に、私が実際にペアレントトレーニングを学んでみて、自分や子供(3歳)にどのような効果があったかについてお話します。
- 子供が言うことを聞くようになった
- 子供を怒鳴りつける頻度が減った
- 子供がかんしゃくを起こす頻度が減った
- 子供が少しだけ我慢を覚えた
- 自分のストレスが減った
- 今まで飲み込んでいた不満を打ち明けられるようになった
- 夫からの不満を素直に受け止められるようになった
- 夫との関係が良くなった
- 夫と教育方針について話し合えるようになった
これら全てについて詳しく説明すると、字数がすごいことになってしまうので(笑)、これから重要なところだけ補足していきますね。
子供が言うことを聞くようになった
たとえば、魔の3歳児が平日の忙しい朝に、
「保育園行かない!」
なんて言い始めると、以前の私だったら問答無用で叱り飛ばして、息子(ギャン泣き)が根をあげて泣きつくまで放置していました。
そして、当然ながら保育園には大幅遅刻・・・。アメリカの保育園が遅刻に寛容で、かつ私が自宅勤務だからこそできる荒技でした。
しかし、ペアレントトレーニングの通りに、子供が保育園に行きたくない気持ちを認めて共感し、子供が行きたくなるようなアプローチを取るようにしたところ、コロッと、
「保育園行くー!」
といそいそと自分で靴を履いて私を待つようになりました!
もちろん、日によってはぐずることもあるのですが、ぐずった時も子供に寄り添った声かけをすることで、
「やっぱり行くよ」
と、気持ちを切り替えてもらうことができ、最近では保育園に30分以上遅刻したことがありません。
こんなに効果があるなら、子供が生まれる前からこの知識を持っておきたかった・・・!と切実に思いました。
子供を怒鳴りつける頻度が減った
ペアレントトレーニングを習得してから、私が子供を怒鳴りつける頻度は目に見えて減りました。今では、月に一度あるかないかくらいです。
息子が2歳の頃は私のイライラのピークで、週に1度は必ず怒りを爆発させていたのですが、今となっては、なぜあの頃あんなにピリピリしていたのか思い出せないくらい平和です。
その理由としては、
- 怒鳴らなくても子供が言うことを聞くようになった
- ストレスで苦しむことがなくなった(ストレスの受け止め方を変えた)
- いたずらや失敗をしてしまう子供の心理を理解できた
といったことが挙げられます。
うちの息子は基本的にビビりで、強く叱るとしょんぼりして言うことを聞くタイプなのですが、それでも、なんども怒鳴りつけるうちに、
- だんだん耐性ができてきて、効果が薄くなってきた
- 新しいことをするときに、やっていいか私の顔色を伺うようになった
- 叱られたから言うことを聞くだけで、なぜしてはいけないかまで理解できていない
- 私の目が届かないところでは言いつけを守らない
という問題が出てきて、怒鳴って叱ることの限界を感じていました。
なので、まだ親のコントロールが効きやすい3歳前半のうちにペアレントトレーニングに出会えて、ストレスのない効果的な叱り方を学ぶことができ、本当に良かったです。
子供が少し我慢を覚えた
イヤイヤ全開の息子に対して、
「お風呂に入ったら、一緒にジュースを飲もうね」
「洗濯が終わったら、一緒に遊ぼうね。5分だけ待ってくれる?」
などとアプローチすることで、相手の都合に合わせて自分のやりたいことを少し待ったり、嫌なことを我慢したりすることができるようになりました。
3歳前後が息子のイヤイヤ期のピークでしたが、3歳半の今は落ち着き、自分から、
「お風呂はいったらジュース飲む?」
と、一丁前に取引を持ちかけるようになりました(笑)。
夫との関係が良くなった
ペアレントトレーニングを受ける前、私は夫に対して、
「私が子育てでこんなに大変なのに、あなたは仕事に行くだけでいいわね」
「たいして手伝えもしないくせに、私の子育てに色々口を挟まないで」
などと不満を抱えていました。
そして、その不満をうまく伝えられず胸の奥に溜め込んで、自然と夫へギスギスした態度を取っていました。
さらに、
「私がこんなに辛いのに、それをそれとなくアピールもしているのに、全然わかってくれない!」
と、自分を理解してくれない、もしくは理解しようとしてくれない夫に不満をたぎらせていました。
しかし、ペアレントトレーニングで建設的なコミュニケーションの方法を学んでからは、
- やんわりと「こうしてほしい」と言えるようになった
- 夫が真面目に私の言うことを聞いてくれるようになった
- 夫の言い分を先入観なしで聞けるようになった
- 意見が割れても、冷静に妥協点を探れるようになった
- お互いに相手を尊重し、認める言葉をかけられるようになった
などの変化があり、夫と口論ではなく、前向きな家族会議ができるようになりました。
今では夫のことを、
「ダメな部分もあるけれどそれはお互い様」
「私ができないことができる大切なパートナー」
と、思って、がんばって大事にしています(笑)。
ペアレントトレーニングは何歳まで効くの?
ペアレントトレーニングには、「何歳から何歳までに有効」という年齢制限はありません。
しかし、
- 子供の褒め方・叱り方
- ご褒美と罰の与え方
という項目に関しては、自立心が芽生えてくる小学校中学年ごろからはあまり機能しなくなるのでは、というのが私の個人的な感想です。
「良いことをしたからご褒美にお菓子をあげようね」
と親から言われて、
「やったー! もっと良いことをして、もっとお菓子をもらおう!」
と素直に喜ぶのは幼稚園くらいまでですよね。
そういう素直な心を持っている低年齢のうちに、ペアレントトレーニングで学べる子供との接し方やしつけ方を実践して、子供に根付かせることが重要だと思います。
ただし、
- 親のストレス対処法
- コミュニケーション法
- 共感力の強化
などについては、いくつの子供でも、親と一緒にステップアップできる内容となっています。
「家族関係をもっと良くしたい」
「子供の自己肯定感を育てたい」
と思っている方なら、お子さんが何歳でも、ペアレントトレーニングを学んでみる価値はあります。
ペアレントトレーニングはどこで学べる?
日本では、残念ながらペアレントトレーニングはまだ一般的ではなく、専門的な講習やセミナーなどは一部の地域でしか受けられません。
しかし、ペアレントトレーニング本ならAmazonや楽天で手軽に手に入るので、いくつかおすすめをご紹介します。
まず、こちらの「マンガでわかる 魔法のほめ方 PT」は、分かりやすくスッと頭に入ってくる本を読みたい方にオススメです。もちろん、PTとはペアレントトレーニングの略です。
もっと詳しく専門的な本を読みたい方は、ちょっと読みにくいですが、こちらの「親業―子どもの考える力をのばす親子関係のつくり方」がおすすめです。
こちら、アメリカでの育児本の鉄板で、日本語訳がもうちょっと読み易ければなあ・・・とちょっと残念なのですが、書いてある内容は超実践的で、
「これ、今日から試してみようかな!」
という子育てやしつけのヒントがたくさん書いてあります。
英語を読むのが苦痛でない方は、むしろ原文で読んだ方が読みやすいです(笑)。
もちろん、このブログでも、ペアレントトレーニングの役に立つノウハウをこれから発信していければと思いますので、よかったらまた時間を空けて遊びに来て下さいね。
ペアレントトレーニングとは?アメリカのしつけ法:まとめ
さて、ここまでで、
- ペアレントトレーニングとは?
- ペアレントトレーニングで学べること
- ペアレントトレーニングの効果
- ペアレントトレーニングは何歳まで効くの?
- ペアレントトレーニングはどこで学べる?
ということについてご紹介しました。
今回の記事では、時間が足りなくて具体的なノウハウについては書けませんでしたが、また別記事でご紹介したいと思っています。
少しでも皆さんのお役に立てたら嬉しいです。