世の中ふしぎなもので、英語の成績は良いのに海外で苦労する人が多い一方で、逆に、文法も単語もめちゃくちゃなのにすぐ外国人と仲良くなれる人もいます。
私の知り合いには特にすごい人が二人いて、一人目はTOEIC500点台でひとりで楽しく世界一周して帰って来ました。
彼はさらに社会人になってから、会社で50人いる同期の中で一番早く海外赴任に行きました。同期の中には、TOEIC満点の帰国子女やハーフもいたにもかかわらず、一番最初に選ばれたのは彼でした。
もう一人は、TOEIC400点台でアメリカに5年間赴任し、最初は「英語全然できないのに、赴任なんて無理だよ〜」なんて言っていましたが、いざアメリカで働いてみると、たちまち現地人の同僚の間で頼りにされ、日本に帰国が決まった時は、現地人の同僚たちに盛大に別れを惜しまれていました。
でも、帰国間際にもう一度受けたTOEICは600点台で、英語は最後まで嫌いなままだったそうです(笑)。
このように、言語の壁を乗り越えて海外生活をエンジョイし、外国人と仲良くなれる日本人は、少ないですが確実に存在します。彼らのようなスーパー日本人には、一体どういった特徴があるのでしょうか? また、その特徴は、私たち凡人にも見習えるものでしょうか?
今回の記事では、グローバル企業(と、いちおう世間では言われています・・・)で4年間働き、現在進行形でアメリカ駐妻をやっているミイが、外国人とすぐに仲良くなれるスーパー日本人の特徴や、見習うべきポイントを分析してみます。
表情が豊か・身振りやあいづちが上手
言葉がわからないと、複雑な情報を伝えたり受け取ったりすることはできません。しかし、表情で感情を伝えて、ジェスチャーでイエス・ノーなどの簡単な情報を伝えることは可能です。
さらに、あいづちで相手の話を促せば、自分からはうまく話せなくても、相手に気持ちよく喋ってもらうことは可能です。
スーパー日本人は、何と言っていいかわからない時も、そして相手が何を言ったかわからなかった時も、とりあえず嬉しい顔や困った顔、驚いた顔などで何かしら相手にリアクションし、その上であいづちを打ちます。
すると相手も、言葉では返事が返ってこなくてもスーパー日本人が何を考えているかある程度推測できるので、安心して話を続けられます。
ただ一貫してニコニコしているだけでは「こいつは一体何を考えているのか?」と不安がられてしまうので、表情はこまめに変えましょう。「どのタイミングでどんな顔をしていいかわからない・・・」という方は、相手の顔をよく観察して、それに沿って表情を作っていけば大丈夫です。
あいづちについては、基本はこの4つを交互に繰り出せばなんとなく様になります。
- Really?(え、そうなの?)
- OK.(そうなんだね または 了解)
- Wow!(すごいね!)
- I agree.(そうだよね)
もう少し覚えられそうな方は、これらのあいづちも便利です。
- Great!(いいね!)
- Sounds good!(いいね!)
- I didn’t know that.(それは知らなかった)
- I hope so.(そうだといいなあ)
相手の話が何も理解できなくて、何をどうリアクションしていいかサッパリなときは、思いっきり困った顔をしてわからない旨そのものを伝えます。
そこへさらに、「Sorry, I couldn’t catch what you mean….(ごめんなさい、言っていることがよく理解できませんでした)」などと付け足せると完璧です。
が、そんな気の利いたことが言える英語力があるならそもそも困っていないと思うので、シンプルに「I don’t understand…(わかりませんでした)」と言っておきましょう。思いっきり済まなそうな顔をすれば、誠意は伝わります。
英語ができなくても堂々としている
スーパー日本人は、英語ができないからといっておどおどしたりしません。
自分が言ったことを理解してもらえなくても、聞く耳を持ってもらえなくても、恐縮するどころか「こいつ、察しが悪いな。態度も良くないし」なんて言ってしまえる鉄のメンタルを持っていて本当に尊敬します。
メンタルは性格の一部で、一朝一夕で変えられるものではありませんが、それでも、「スーパー日本人が強気でいられる理由」を知ると、「確かに、私もこんなに恐縮する必要はなかったかも」と思えてくるから不思議です。
強気な理由その1:アメリカ人も外国語ができない
私の知り合いのとあるスーパー日本人は、「アメリカ人だって大半は英語しかできないんだから、自分が日本語しかできなくったって別に普通のことだ」と言っていました。
ヨーロッパでは多言語を話せる人は多いので、この理屈は通用しませんが、アメリカで生まれ育ったアメリカ人は、確かに他の言語は習得していない人が多いです。世界各国で英語が通じるので、外国語を使う機会も必要性もないのですね。
このことを頭の隅に置いておくと、万が一たまーに嫌な人に当たって、「あなたの英語、ぜんぜんわからない」なんて嫌味を言われても、「そうはいっても、あなたも英語しかできないでしょ。そんな偉そうに言われる筋合いないわ」と、気持ちを立て直すことができます。
強気な理由その2:日本にいる外国人に自分ならどう接するか考えてみる
例えばあなたが日本に住んでいて、日本語が苦手な外国人に話しかけられたとします。その人は一生懸命話していますが、残念ながら断片的にしかわかりません。
そんな時、あなたはどう対応するでしょうか? おそらく、「あなたの言いたいことって、こういうこと? それとも、こういうこと?」と、助け舟を出すのではないでしょうか。
そして、その人がそれを聞き取れずに困って黙り込んでしまったら、さらに簡単な言葉を選んで、ゆっくりと言い直してあげるのではないでしょうか。
私は、この程度の親切は、世界中の誰でもするべきだと思いますし、自分もそういう状況になったら迷わずそうすると思います。
そう考えると、たまに運悪く横柄な人に当たってしまっても、「こいつは人間ができていない、未熟なやつだ」と、一歩引いた視点で、引け目を感じることなく冷静に対応することができます。
そして、そういう横柄な人とは距離を置いて、きちんとした良心を持っている素敵な外国人と仲良くなればいいのです。
使い勝手の良いフレーズを知っている
スーパー日本人は、会話を自分の持っていきたい方向に進められるスーパーフレーズを隠し持っています。
たとえば、言いたいことがあるけれどパッと英文を組み立てられず時間がかかりそうなときは、
- Well…(えーと)
- Mm-m…How to say…(うーん、なんて言ったらいいかな)
- It’s difficult to explain…(説明するのが難しいなあ)
などと言って、自分がこれから何か言いたいことをアピールし、相手に待ってもらいます。
そして、たとえば辛うじて相手が○○について話しているとわかったけれど、肝心の内容がサッパリのときは、
What’s that ○○ mean?(その○○ってなんて意味?)
と聞きます。話が進みすぎて手遅れにならないうちに、素早く聞くのがコツです。
ここで、○○の部分を特にゆっくりと、首を傾げながらカタコトで言うと、「あ、こいつはそもそも○○という単語の意味がわかってないんだな」と相手に伝わり、丁寧に説明してもらえます。
このようなスーパーフレーズを学ぶには、実際にスーパー日本人を見つけて聞いてみるのが一番です。
取っておきの話のネタがある
スーパー日本人は、日本語で会話していても朗らかでおしゃべり上手な人が多いです。(ごくたまに、日本語だと物静かなのに英語だとガラッと社交的になる不思議な人もいますが。。。)
普通の人がいきなり会話上手になることは不可能ですが、真似できそうなところを真似することは可能です。そして普通の人でも真似できそうな特徴といえば、まず思い浮かぶのが、万人受けする話題を持っていることです。
ということで、拙い英語でも気にならず続きを聞きたくなるような、興味深い話のネタを2,3個準備しましょう。色んな人に何度も同じネタを披露するうちに、だんだんとそのネタを話すのに慣れてきて、上手くしゃべれるようになります。
ネタの種類としては、自分が体験した面白い出来事が一番いいですが、出来事を英語で説明するというのは結構ハードルが高いので、「ちょっと難しいわ」という方のために、とっておきのネタをご紹介します。
それは、「オススメの美味しい日本食レストランの紹介」です。今は世界中で日本食は大人気ですから、外国人に美味しい日本食のお店を教えてあげると、とても喜ばれます。
私の住んでいるアメリカにも、日本食のレストランはたくさんあり、そのレベルはピンキリです。なので、「数ある日本食レストランの中で、ここは本当に日本の味がする良いお店だよ!」という日本人にしかわからない情報を教えてあげると、日本に興味がある外国人に大ウケします。
さらに、レストランを教えるだけにとどまらず、そのお店の、おすすめメニューまで教えてあげると、もう完璧です。あらかじめ、料理の写真を撮って携帯に入れておくと、料理の説明などもしやすく、相手に興味を持ってもらいやすいです。
ただし、あまり食には興味がない相手に熱心に説明しすぎるとかえって引かれてしまうので、相手の反応をみながら試してみてください。
「まずいぞ、ちょっと反応が悪いな・・・」と感じたら、逆に、
「ところで、あなたのオススメは? ここらへんで一番おいしいレストランってどこ?(By the way, do you have any recommendation? What is the best restaurant near here?)」
と、相手に話を振ってみてください。
まとめ:英語ができなくても外国人と仲良くなるコツ
いかがだったでしょうか。
英語というハンデがあっても、工夫次第で、外国人と仲良くなることは十分に可能です。そして、気の合う外国人の友人さえできてしまえば、英語を使う頻度も増え、気づいたら、コンプレックスだった英語が逆に特技になっているはずです。
そのためにも、ぜひ、この4つを意識して、勇気を出して外国人に話しかけてみてください。
- 表情や身振り、あいづち等の、言語以外の部分を工夫する
- 英語ができなくても引け目に感じすぎない
- 使い勝手のいいフレーズをいくつか身につける
- とっておきの話のネタを準備する
皆さんが、たくさんの気の合う外国人と仲良くなれることを祈っております!