海外で育児

海外出産で、夫に頼りすぎると痛い目に遭うという話

私の夫は、中学3年までほぼ海外で暮らした帰国子女で、英語がペラペラです。

なので、駐妻友達からはよく、

「ミイさんのところは、旦那さんが頼りになって羨ましい〜」

と、お褒めに預かります(笑)。

実際、私が英語でつっかえた時にサッと通訳をしてくれたり、アメリカ人の同僚と仲良くなって役に立つ情報を仕入れてくれたりして、生活の様々な場面でたくさん助けてもらっています。感謝してもしきれません。

だから、アメリカで妊娠がわかったときも、

「英語で産婦人科のお世話になるのは不安だけど、困った時はきっと夫が何とかしてくれる⭐︎」

と、呑気に構えていました。しかし実際、いざ夫婦で妊婦検診に行ってみると、

「あ、こりゃ自分でがんばらないとダメだわ」

と、早々に認識を改めました(笑)。

どうしてそう思うようになったのか? また、夫を当てにせずに自分の力で海外妊娠・海外出産の大仕事をやり遂げるにはどうすればいいのか?

自分なりに考えた答えを、これから共有したいと思います。

海外出産で夫は当てにならない・・・と思ったきっかけ

私が、「海外出産で夫を頼りにしちゃダメだ・・・」と悟ったのは、忘れもしない2回目の検診の時でした。

2度目の検診にして早速、出生前の遺伝子検査(血液検査)をすることになり、それについてドクターが説明をしてくれました。

「今日、○○の血液検査をして、さらに妊娠9週目でまた別の検査を・・・」

と、今後の流れも交えながら長々と説明してくれたのですが、難しい用語が多くて全てを聞き取れず、「まあ、後で夫に訳してもらえばいいや」と思って聞き流していました。

そして、ドクターの話になんとなく相槌を打ちながら検診を終え、帰り道に夫に話の内容を尋ねてみると、なんと、

「俺もよくわからなかったけど、ミイがわかってると思って黙ってた」

という衝撃の答えが!(笑)

それを聞いて思わず、

「分からないなら分からないなりに、もう一度説明してもらうとか、重要そうな箇所について質問するとかしてよ! なんのためにあなたに付いてきてもらってると思ってるの!」

と文句を言いたくなりましたが、自分も夫を当てにして聞き流していた手前そこまでキツく言うことができず、とりあえず、

「あなたでも分からない英語を私が聞き取れるわけがないから、不明点はなるべく漏らさずに先生に聞き返すようにしてくれる?」

と、やんわりお願いしておきました。

そして同時に、

「なんでも夫任せにしていると、今日みたいに失敗することもある。もう、自分の下手な英語を晒すのが恥ずかしいなんて甘えは捨てて、わからないときや不安なときは自分から積極的にドクターに質問しなければ」

という危機感が芽生えました。



3度目のドクター英会話で夫を超える

そして、次の妊婦健診で、前回の血液検査の結果が出た時、さらなる事件が起こりました。

ドクターからまさかの、

「あなた(ミイ)には先天性の遺伝子欠損があり、葉酸を摂取してもうまく吸収できません。なのでお腹の赤ちゃんに葉酸を供給するために、特別なサプリメントを飲んでもらう必要があります」

という宣告を受けたのです。

内容がとても難しいので、最初は勿論ちんぷんかんぷんでしたが、前回の教訓を得てかなり危機感を感じていた私は、しつこく、

  • 「葉酸(Folic Acid)って、妊娠初期に特に重要な栄養素のことですよね?」
  • 「サプリを飲めば問題はないんですよね?」
  • 「私の遺伝子の問題ってことは、赤ちゃんにも欠損が遺伝する可能性があるんですか?」
  • 「そのサプリはいくらですか? 保険は効きますか?」
  • 「英語が下手で完全には理解できていないから、その遺伝子欠損について説明資料や検査結果のレポートがあったらコピーください」

とか、たどたどしく拙い英語で思いつく限りの質問をして、ひとまずの安心を得ることができました。

そして、ふーやれやれと思いながらの帰り際、なんと夫が、

「ミイとドクターが話してた内容、よくわからなかったんだけど教えてくれる?」

と、私に聞いてきたのです!

こっちは必死でがんばったのに、全てが終わってから呑気にそんなことを聞かれ、思わず「この男、許すまじ」と思いました(笑)。

しかし、よくよく考えてみれば、一般的な男性にたとえ日本語で「葉酸」と言ったって、何のことかわからない人がほとんどです。

「葉酸は食べ物で摂取しにくく、かつ、葉酸不足は先天性疾患を引き起こすことがある」ということは、妊活をしている女性にとっては当たり前の知識ですが、男性にとっては馴染みのないことです。

だから、もしドクターの説明が日本語だったなら、たとえ夫が理解できなくても、私も、

「まあ男の人だし、予備知識ゼロの状態でいきなりこんな話をされても、そりゃわからないよね」

と、特に怒らなかったと思うのです。

それがたまたまアメリカに住んでいて、英語で説明を受けたことで、

「英語ができる夫はドクターの話を私より理解できて当然で、できないのはおかしい。怠慢だ」

という先入観ができ、夫の対応に不満を抱いてしまったのです。

夫と私の英語力は月とスッポンで、もう比べること自体おこがましいくらいですが、一方で私には、妊娠・出産に備えて調べた知識があり、かつ、「自分が責任持って赤ちゃんを健康に産まなくては!」という使命感がありました。

その、言ってみれば妊婦としては当たり前の知識と責任感が、私と夫の圧倒的な英語力の差を上回ったという経験は、私に大きな人生訓を授けてくれました。

情けない話ではありますが、このとき私は海外生活2年目にしてようやく、「語学力って、万能じゃないんだ」ということに気づけたのです。

海外出産で夫に頼り切らず、自力でお腹の赤ちゃんを守る方法

そんなこんなで、私は今回の経験で、

  • 英語がベラペラだからといって夫は万能ではない
  • 自分のへっぽこ英語でも、必死で食らいつけばなんとかなる

という気づきを得ました。

こうして、英語ができないなりにほんの少しの自信を身につけた私は、海外出産という大仕事を、

  • 夫任せにせず、自分主体で
  • なるべく順調に
  • ストレスなく

完遂するために、下記のことに気をつけるようにしました。

まず日本語で妊娠・出産について学ぶ

アメリカにいても日本にいても、妊娠・出産についてある程度知識を持ってドクターの話を聞くのとそうでないのでは、話の効率や深さが全く変わってきます。

そこで、まず自分が読みやすい日本語で妊娠・出産についての知識をつけられるように、iPhoneにninaruというアプリを入れました。

このアプリで、出産予定日を入力すると、

  • 今の自分が妊娠何週目か
  • そろそろするべき検査は何か
  • 検査で引っかかるとどうなるか
  • 今の週数で起こりがちなトラブルや解決法は何か

などの情報が簡単に手に入るので、こまめにチェックするようにしていました。

本だと、読むべき情報の量(ページ数)が目に見えてわかるので、「ああ、まだこんなにページがある・・・」と挫折しそうになりますが(笑)、アプリだと、その日に必要な分だけが毎日ちょっとずつ画面に出るので、私には続けやすかったです。

英語でも情報収集する

アメリカにもninaruと同じようなアプリが沢山あり、私はBaby Centerというアプリを使っていました。

日常会話ではまず出てこない、妊娠・出産関連の英単語が沢山出てくるので、一見難しそうに見えますが、書いてある内容自体はninaruとほとんど同じです。

なので、知らない単語があっても「あ、はいはい、Cervix lengthってつまり子宮頸管の長さのことね」となどと類推しやすく、日本語で知識を仕入れた後ならわりとサクサク読み進められます。

私はこのアプリを、

  • 日本語で得た情報を英語でなんと言うのか確認
  • 日本とアメリカでは違う部分(たとえば、血糖値検査の判定基準値はアメリカの方が厳しい)を確認

する目的で使っていました。

夫にも知識を共有する

妊娠・出産について必要な情報をなるべく夫に共有しておくと、急なトラブルが起こったときや出産当日に、気の利いた動きをしてくれるようになります。

「それくらいのこと、なんで知らないの!?」と怒っても夫が戸惑うだけなので、「ここは外せないポイントだから、覚えてくれる?」と頼む方が建設的ということに、私は安定期に入った時くらいに気づきました(笑)。

しかし、会社の仕事で忙しい夫に自分と同じ知識量を覚えてもらうことはまず無理なので、聞いてくれる余裕がありそうなタイミングで、重要なことだけかいつまんで教えるようにしました。

また、教えたことを忘れてもあまり怒らないようにしました(実際、教えたことの5割は忘れてました)。

特に、

  • 産婦人科への緊急連絡先
  • 産婦人科の住所
  • 実際に出産する病院の駐車場の位置

はとても重要なので、忘れてもすぐ思い出せるように夫のiPhoneに登録しておいてもらいました。

先輩ママに話を聞く

日本人で、さらに自分と同じ産婦人科で海外出産した経験がある知り合いがいると、とても心強い味方になってくれます。

私はへそ曲がりで、ロングアイランドのほとんどの日本人がお世話になっている韓国系のDr.Kimではなく、Garden CityでWomen’s Health Care というオフィスを構えているイタリア系のDr.Gomes(おそらく日本人なんて診るのは初めて)のお世話になりましたが、それでも、Dr.Kimのところで出産したママ友に色々教えてもらって、かなり助けられました。

「血糖値検査で2回引っかかると、毎食後に自分で指に針を刺して血糖値を計って記録しないといけなくなるから、検査前は甘いものを控えた方がいいよ」

「分娩台に上がると水も何も飲ませてもらえなくなるから、その前に食べ込んで水分と栄養を補給した方がいいよ」

など、教えてもらっておいて助かったことがたくさんあります。

体裁を気にせずとにかく理解するまで粘る

英語でドクターや看護師さんとコミュニケーションをとるのは、とても大変です。

特に、一度聞き返して説明し直してもらってもわからなかった時は、「何度も聞き返すのも悪いし、とりあえずOKって言っちゃおうかな・・・」と、魔が差すこともあります。

しかし、移民の多いアメリカでは、皆さん外国人慣れしているのか、何度も聞き返したりして時間や迷惑をかけてしまっても、案外親切に対応してくれたりします。

わからなくて困った時は、どうぞ思い切って、「ごめん、やっぱりわからない」と言ってみてください。

もし運悪く、嫌な対応をされてしまったとしても、どうせその人との関係は、子供を出産してしまったら終わりです。

「どんなに嫌そうな反応が返ってきたって、お腹の子の命が掛かってるんだから聞くところ聞くまで帰らないわよ!」

くらいの心持ちで、しつこく食らいつくことが重要です。

親切な産婦人科を選ぶ

ドクター、看護師さん、受付スタッフが親切な産婦人科オフィスを選んでおくと、ストレスや不安なく妊娠期間を過ごすことができます。

私がお世話になったWomen’s Health Careは、結局保険が効かず自費で購入することになった葉酸サプリの無料サンプルをオフィスにある分全部(1ヶ月分くらい!)くれたり、私の保険でカバーできる範囲を事前に調べ、自費が発生する場合は必ず私の同意を取ってくれたり、何か不安なことがある時はその日のうちに診察してくれたりとかなり親切で、この先生を選んで良かったと何度も思いました。(ただしドクターはめっちゃ早口で、英語を聞き取るのに苦労しました:笑)

産婦人科を選ぶ時は慎重に、何軒かインタビューに行って色々質問してみて、一番雰囲気の良いところに決めることをお勧めします。



最後に:海外では、出産に限らず夫に頼りすぎに要注意

夫の仕事の都合で海外に越してきて、さらに夫の方が自分より英語ができるとなると、どうしても、

「英語を使わなければいけない重要なことは、全て夫にお任せ」

になりがちです。

しかしどんなに英語がペラペラな人でも、やはりその国での常識や、込み入った分野での専門用語などがわからないこともあり、語学ができるからといって何でもかんでもスムーズに上手くこなしてくれるとは限りません。

よくよく考えてみれば、もし日本で生活していたとしても、世の旦那さんは果たして、人生において重要な手続き(例:住宅の賃貸契約、役所での各種届出、子供の幼稚園への入園など)を全て一人で、しかも妻が100%満足するレベルでこなせるでしょうか?

フルタイムで仕事の忙殺されながら、それができるでしょうか?

残念ながら私の夫はそこまで完璧な人ではないし、これまで手続き関連のうっかりミスや思い違いで、たびたび痛い目にも遭っています。

それを「英語ができるから」「あなたの都合で海外に住んでいるから」という理由で全て夫に任せて続けていたら、当然、今後もミスによるトラブルが出てきます。

さらに、夫一人に負担やストレスがかかることになり、それで健康を損なって働けなくなったら生活が成り立たなくなってしまいます。

私は妊娠・出産を機にそれに気づくことができ、それからは英語ができないなりに、なるべく重要な手続きについては首を突っ込むことにしました。

すると、

  • 引越しに伴う電気・ガス契約の引き落とし口座が設定されておらず、支払いが滞っていた(多額な延滞料がかかった)
  • 自動車保険料を節約するために1年分の保険料を前払いしたはずなのに(年払いの方が月払いより安い)、なぜか毎月末に引き落とされていることに気づいた
  • クレジットカードの特典よりも会費の方が高くついており、割に合わないので解約した
  • テレビ契約で初月無料になっていた有料チャンネル(全く利用していない)がずっとそのままになって毎月余分な費用が発生していた
  • 引越し前のアパートの家賃の一部が未納のまま放置されており、危うく裁判沙汰になるところだった

など、後から後から「あっ、これ放っておくとまずい!」という問題が出てきて、「自分も関わるようにして本当に良かった・・・」と心の底から思いました。

そして、「うちの夫って、こういう細かいこと苦手なんだな」と骨身にしみました。

たまに、「他の家の旦那さんは、こういう手続き関連きちんとこなしているのに、なんでうちだけ・・・」と切なくなることもありますが、まあ苦手分野を補い合うのが夫婦なのだと自分を納得させて、これからも自分のできることを地道にこなして行こうと思います。

そして、そうやって私が頑張った分、代わりに夫には家事・育児を手伝ってもらって、きっちりギブアンドテイクしてもらおうと思います(笑)。

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