こんにちは、アメリカでペアレントインストラクターをしているミイです。
育児というものは、出産後のすさまじい寝不足から始まり、授乳や寝かしつけ、予防接種、離乳食、教育など、次から次に努力や試行錯誤をしなければならず、その割にうまく行かないことも多い大変な仕事ですよね。
そこでこの記事では、
「育児と家事の両立が大変すぎる! どうにかしてラクにする方法はないの!?」
という方に向けて、
- 罪悪感を感じずに家事・育児の手を抜く方法
をご紹介します。
完璧なママを目指さない
まず、育児と家事をラクにするためには、
「毎日美味しいご飯を作って、家もオシャレに保って、子供ともたくさん遊んであげるニコニコなママ♪」
といった理想像を捨てる必要があります。
そういうママになるためには、
- すごくお金があって家事育児を外注できる
- 旦那さんや両親が惜しみなくヘルプしてくれる
- 本人が鬼のようにひたすら努力できる
などのチートな条件が必要です。
完璧なママを目指して、
「あれをやらなきゃ、これもやらなきゃ」
と、自分にノルマを課し続けていると、
「やらなきゃ」
と思うこと自体がストレスになって、何もしていなくても疲れます。
実際に労力を割いておらず、成果もゼロなのに、「やらなきゃ」と思うだけで貴重な気力と体力が奪われていくなんて、とても勿体無い話です。
なので、自分ができそうにないことは、
「できそうにないから、これはやらない!」
と、スッパリ切り捨てて次に行くことがとても重要です。
自分の不得意を許そう
とはいっても、「本当はやった方がいいと思っていること」を、「もうやらない!」と切り捨てると、
「こんなこともできないなんて、私ってダメなママだなあ」
と、自己肯定感が下がってしまいますよね。
さらに、仲のいいママ友がそれをサラッとこなせる人だったりすると、
「○○さんは子供のためにあんなに頑張っているのに、それに比べて私は・・・」
と、ズーンと落ち込んでしまうものです。
かく言う私も、毎週末に家族で楽しくお出かけしているママ友がいるのですが、一方で自分は子供と外出するのが苦手です。
息子のお友達が、テーマパークなどで家族と楽しそうに写っている写真をSNSで見るたびに、
「○○ちゃん、生き生きして楽しそうだなあ・・・。うちの子も、こういうところに連れて行ってあげたら喜ぶんだろうなあ・・・」
と、自分を責めてしまっていました。
また、料理上手なママ友のお正月のおせち料理や、凝ったお誕生日プレートを見るたびに、
「我が子よごめん、私にはとても無理です・・・」
と、自信喪失していました(笑)。
しかし、
「人には向き不向きがあって、自分にはとても大変な重労働が、相手にとっては楽しい娯楽だったりする」
と気づいてからは、ママ友のSNS写真を見ても、あまり動揺しないようになりました。
超インドア派の私にとっては、身長制限で大抵の乗り物に乗れない3歳児とのテーマーパークは苦行でしかありませんが、たとえばキャラクターのパレードが好きな人や、子供の可愛い写真を撮るのが好きな人は、きっと濃密な楽しい時間を過ごせるのですよね。
そして、私はクッキーを焼くとストレスが溜まりますが、逆にストレス解消のためにクッキーを焼く人も多いと聞きます。
一人一人、得意不得意や好き嫌いは違うので、何かができる人とできない自分を比べて、自分にがっかりすることは、百害あって一利なしなのです。
自分の得意分野を褒めよう
では、どうしたら、不得意分野がある自分を、
「まあ、これでいいか!」
と認められるようになるのでしょうか?
そのコツは、
「だって、私には○○という長所があるし!」
と、自分の得意分野を見つけて褒めることです。
日本では家庭でも学校でも、あまり褒める教育をされないため、自分の長所をはっきりと自覚されていない方も多いですが、心配ご無用。
単に自分では気づいていないだけで、誰にでも長所はあります。
例えば私は、家事・育児の中の目に見える仕事(料理、洗濯、掃除など)は全て苦手で、必要最低限のタスクしかこなしていません。なので、ぱっと見はダメダメな母親です。
しかし、子供の心と体の発達に興味があり、しつけや知育、栄養学について、たくさんの本を読みました。そして、良いと思ったメソッドを片っ端から試す情熱もありました。
幸い、その努力はまあまあ報われており、息子は風邪知らずで、癇癪も起こさず、理由を説明するだけで悪い行動を改められる子になりました。
(ただし、気が弱く、食も細く偏食で、決して完璧ではありませんが、それはそれで彼の個性だと思っています)
「息子を健康で、自分の頭で考えて行動できる人間に育てる」というのが、私の育児の一番の目標で、それをはっきり自覚してからは、たとえ夕食に1品しか作れなくても、写真立ての上にちょっとホコリが積もっていても、
「まあ、そこまで重要な問題じゃないや」
と思えるようになりました(笑)。
自分の知られざる長所を発掘する方法としては、
- 何をする時に楽しい・充実していると感じるかを思い出してみる
- 時間を忘れて没頭できることは何か考えてみる
- 今までに誰かに「すごいね!」と言われたことはなかったか思い出してみる
- 親しい人に「私の良いところって何だと思う?」と恥を忍んで聞いてみる
などがあります。
一番効果が高いのは、最後の「親しい人に聞いてみる」ですが、いきなり聞くのはなかなかハードルが高いですよね。
そこでおすすめなのが、パートナーに、
「どうして私と結婚しようと思ったの?」
と聞くことです。
誰しも、相手の何かを好きになったからこそ結婚するわけで、こう聞くことで、結果的にはあなたの長所を教えてもらうことができます。
とは言っても、そう聞いて素直に答えてくれる旦那さんばかりでもないと思うので、ご参考までに、私が今までにママ友に「すごいなあ」と思ったことを、いくつか書き出してみますね。
- おいしい料理や凝った料理を作るのが好き
- 料理の盛り付けがうまい
- 手作りお菓子をお土産に持ってきてくれる
- 冷蔵庫にたまたまあった食材で美味しいものを作れる
- 冷蔵庫の中身を腐らせずに管理できる
- 毎日お弁当を作る
- 子供用のカレーと大人カレーを別鍋で作る(我が家は問答無用で全員甘口)
- インテリアのセンスがいい
- 家がキレイに片付いている
- 補充品を切らさない
- ものを大切に長く使う
- 洋服や小物のセンスがいい
- 毎日シャツにアイロンをかけられる
- 家計簿をつけられる
- 節約してお金を無駄にしない
- 必要なものしか買わない
- 子供の遊びに付き合いながら自分も楽しめる
- 子供のリクエストに応じて何冊でも絵本を読める
- 歌やピアノが上手で、子供と一緒に音楽を楽しめる
- 絵や工作が得意で、子供と一緒にアートを楽しめる
- 綺麗な字が書ける
- 子供が夢中になる新しい遊び(お金がかからない)を考えつくことができる
- ママ友とのお喋りなしで子供の公園に1時間以上付き合える
- 子供の習い事が終わるまでずっと待っていられる
- 毎週子供の習い事の送り迎えをしてあげる
- 子供が興味を持てるもの(博物館など)を見つけて好奇心を満たしてあげられる
- 子供が寝入るまで抱っこで寝かしつけできる
- 旦那さんの悩みや愚痴を親身に聞いてあげられる
- 相手が喜ぶ気の利いたプレゼントを選べる
- プレゼントに心の篭ったカードを添えてくれる
- 年賀状やクリスマスカード、お礼状などの挨拶を欠かさない
- 先入観なしで相手の話を聞ける
- 誰かの意見に引きずられずに自分の意見を持てる
- 角を立てずにイヤと言える
- 感情的にならず、口論ではなく実のある議論ができる
- 気持ちの切り替えが上手
- 待ち合わせ相手が1時間遅れても怒らない
- 相手の長所を自然に褒めるのがうまい
- 誰かの幸運を妬まずに心から喜んであげられる
- 不運や不条理に見舞われてもへこたれない
自分では「えっ、こんなこと、全然大したことないのに」と思うことに限って、人から見たら、
「いや、私には絶対できないよ!」
という素晴らしいことだったりするので、どうぞ今までの人生を振り返りながら、ご自身の長所を見つけてみてくださいね。
苦手分野は手を抜いて、得意分野で価値を出そう
さて、自分の得意・不得意を自覚した後は、
- 苦手分野は思いっきり手を抜く
- 得意分野で自分の価値を出す
を意識してやってみましょう。
得意分野で「自分は家族に貢献できている」と自信を持つことで、苦手分野をスパッと切り捨てることに罪悪感がなくなります(笑)。
具体的に私が手抜きしていることとしては、
- 料理は大鍋で作って2-3日は同じものを食べ続ける
- 一食に1-2品しか作らない
- 週に1度はUber Eatsでお取り寄せ
- 息子(偏食)が今日のメニューを食べなければ、代わりに納豆ご飯で済ます
- 朝食はほぼ毎回フルーツ、シリアル、ヨーグルト(気が向けば目玉焼き)
- 離乳食は大量作り置きの雑炊(完全食)かベビーフードがほとんど
- 子供が泣いても、命の危険さえなければ家事がひと段落するまで放って置く
- 自分のセンスに見切りをつけて装飾インテリアは全く買わない(夫が買ったものは少しある)
- 掃除機は週1回、もしくは来客前のみ
- 夫のYシャツはシワなし加工のみ可
- 手洗い必須の服や乾燥機で乾かせない服は買わない
- 寝る前の絵本は自動絵本読み聞かせプロジェクター(ドリームスイッチ)にお任せ
- これは知育アプリだから!を言い訳に、3歳児にゲームアプリをやらせる
- 息子と公園に来て10分で「そろそろ帰ろっか」と言い始める
- 一時保育やデイケア(アメリカの保育園)をフル活用して自分の時間を確保
- 息子を生後3ヶ月からネントレで独り寝させる
- 家計簿つけはクレカ連動の家計簿アプリにお任せ
- 意識して息子にお手伝いを頼む(ゆで卵の殻むきやレタスをちぎるなど。最初はむしろ足手まといだが、後々ラクになってくる)
- 年賀状やクリスマスカードなどは全てメールで済ます
こんな感じです。
これはあくまで私の経験則ですが、
「いやだな・・・でもやらなきゃ・・・」
と思っていることは、たいてい、
- やらなきゃやらないで何とかなる
- 実はもっと簡単な方法がある
- やる頻度を減らすことができる
のどれかの方法で負担を減らせます。
特に、子供が小さいうちは、家事にいつどれくらい時間を割けるか読めないことも多く、
「ああ、今日はこれをしようと思っていたのに、全然計画通りにいかない!」
とイライラすることも多いと思います。しかし、そんなときこそ、
「大丈夫。別に、今日これができなくても死ぬわけじゃない。また時間のあるときにやればいいや! 今日は育児をがんばったんだから、もうそれで十分!」
と割り切って、スパッと今日のノルマを放棄してください。
どうしても辛い時は、レトルトカレーや冷凍食品を食べれば良いですし、お風呂も1日くらい入らなくても、明日念入りに洗えばそれで大丈夫です。
「それって、どうしても今やらなきゃいけないこと?」
「絶対にその方法でやらなきゃダメ?」
と常に自分に問いかけて、「できない・・・でもやらなきゃ」のストレスから自分を解放してあげてくださいね。
面倒事はあえて習慣化させると苦にならない
さて、ここまでで、
「自分のやりたくない家事を堂々と手を抜く方法」
についてお伝えしてきましたが、残念ながら、どんなに
「家事・育児の負担を極限まで断捨離!」
と意気込んでも、どう頑張っても逃れられない家事というのも確かに存在します。
特に掃除系の家事は、サボればサボるほどどんどん汚れがこびりついて、後で手痛いツケを支払うことになります。
そんな面倒な家事の負担を減らす一番の方法は、逆説的ですが、
「毎日少しずつやって習慣化すること」
です。
どんなに面倒臭いことでも、毎日休みなくやっていくと、だんだんその行為に脳と体が慣れてきて、最終的には、
「むしろやらないとなんか気持ち悪い」
という感覚を自分に植え付けることができます。
「例えば、夜寝る前の歯磨きを面倒だと思う人はいないですよね?」
というのが、この習慣化を推奨する人たちの常套句です(うちの夫は面倒がってよく寝落ちしていますが・・・)。
例えば、私はキッチンのシンクや調理台、コンロの掃除をするのが大嫌いなのですが、試しに、
「朝ごはんを食べたら台ふきんでテーブルを拭き、そのままキッチンをざっと拭き掃除する」
というルールを作ってやってみたら、なんと、無意識に流れ作業をするように嫌な仕事をこなせるようになりました。
毎日拭くと、しつこいこびり付きもなくなるので、トータルの仕事量も減ったように思います。
面倒なことを習慣化させる場合、
- 1ヶ月毎日続けるとだんだん苦にならなくなる
- 3ヶ月続けると「やらないと気持ち悪い」状態になる
と言われていますので、皆さんも是非トライしてみてください。
また、面倒なことの習慣化を助けるコツとして、
- 毎日絶対にするルーチン(朝食を食べるなど)のすぐ後にやるようにすると定着しやすい
- 面倒なことが何分で終わるか一度時間を測ってみると、実は数分で終わることがわかり、次から「たかだか○分なら、今やっちゃおう!」という気になる
という技もあるので、合わせてお試しくださいね。
習慣化についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの本がオススメです。
2冊とも、現在(2020年12月)Kindle Unlimitedという読み放題サービスの対象なので、Kindle Unlimitedの30日間のお試しを申し込むことで、無料で今すぐ読めます。
(30日以内にお試しを解約すれば、お金は全くかかりません)
Kindle Unlimitedの対象本は入れ替わりが激しいので、もし興味があればお早めに読んでみてくださいね。
罪悪感なしに家事・育児を手抜きするコツ:まとめ
さて、ここまでで、家事と育児の両立に苦しんでいる方に向けて、
- 人は「やらなきゃ」と思うだけでストレスを感じる
- 家事ストレスを軽減するには、できないことを「これはもうやらない!」と放棄することが必要
- 罪悪感なしに家事(の一部)を放棄するには、「自分はこの得意分野で役立っているから、苦手分野をちょっとくらい手を抜いても大丈夫」というマインドが大事
- 人には向き不向きがあるので、自分の苦手分野を人と比べて落ち込んでも意味がない
- 自分で気づいていないだけで、誰にでも長所はある
- 苦手分野は極限まで手を抜き、得意分野で家族に貢献できる人間になろう
- どうしてもサボれない嫌な家事は、あえて毎日こなして習慣化することで負担が減る
というアイディアをご提案しました。
同じだけ家事・育児を手抜きしていても、
「ああ、今日はあれもこれも全然できなかった・・・私はなんてダメなママなの・・・」
と自分を責めるのと、
「今日は大変だったんだから、できなくてもしょうがない。もう今日はやーめた。子供とテレビでも見ちゃおう!」
と割り切るのでは、心理的な負担が全く違ってきます。
もしも、つい気持ちが落ち込んでしまったときは、
「あっ、いま私、余計なストレスを抱えて損してる!」
と気づいて、スパッと「もうやらない!」と宣言して休んでみてください。
そうすることで、今日受けるストレスを最小限に抑えて、明日に向けて気力や体力を温存することができます。