こんにちは、ニューヨークで3歳の息子を育てている駐妻ミイです。
我が子は可愛いものですが、言うことを全く聞いてくれなかったり、駄々をこねてワンワン泣かれてしまうと、
「いい加減にしてよ! なんで言うこと聞けないの!!」
と、イライラが限界突破してしまうこと、ありますよね。
そして、怒りが爆発して子供を怒鳴ってしまうたびに、
「辛抱強く優しく言い聞かせられない私って、ダメな母だなあ」
と、ご自分を責めてしまう方も多いのではないでしょうか。
実は私も、そんな「自分は我慢が足りない・・・」と思っていたママのひとりだったのですが、色々と試行錯誤していくうちに、今では息子に怒鳴らないようになり、やさしーく「やめようね」と諭せる理想のお母さんになることができました。
さらには、保育園に行きたくないと駄々をこねる息子が、自分から、
「保育園いく!」
と言っていそいそと靴を履くようになる、魔法の説得術も体得することができました。
私は息子を一人しか育てたことがないのですが、イヤイヤを発動してしまった息子のお友達にも試したら同様の効果があったので、
「この方法って、他の子育て中のママパパの助けになるかも!」
と思って、記事を書かせていただきます。
イライラの原因は栄養不足!?
まず、子供がイヤイヤ言った時にも、親が怒りを爆発させずに穏やかでいる方法からご紹介します。
皆さんは、自分が「いい加減にしなさい!」と思わず怒鳴る時、どうしてそうなってしまうのだと思いますか?
多くの方は、
「感情をコントロールしきれなかったから」
「あまり忍耐強い性格ではないから」
と、ご自分の不備のように感じてしまうと思います。
しかし、実は、忍耐力というのは科学的に作れます。
人間のあらゆる感情は、脳内のホルモンによってできています。そしてそのホルモンは、主にタンパク質から作られる「物質」です。
なので、ホルモンの原料であるタンパク質が足りないと、ホルモンが足りなくなったり、正常に機能しなくなったりして、感情が暴走したり、無感動になったりします。
そもそも出産後は、栄養が子供に取られ、ホルモンのバランスも崩れている時期ですので、そんな中、新たなタンパク質の補充(けっこうな量が必要です)なしに過酷な育児で心身のストレスを受け続けると、どんどん感情の制御が効かなくなってしまいます。
なので、「子育てでついイライラしてしまう」という方は、騙されたと思ってタンパク質を多めに取ってみてください。
ただし、1日に必要な量(だいたい卵7個=タンパク質40g)を毎日欠かさず食べ続けるのはかなり根気がいりますし、調理の手間もかかってしまうので、手っ取り早くタンパク質を摂取したい方には、プロテインを飲むことをおすすめします。
こちらは、すっきりとしたベリー味で、ジュースと同じ感覚で飲めます。
アメリカにお住いの方なら、このトロピカル味が美味しいです。
まずはプロテイン20g(ジュース一杯)を、1日に数回分けて飲むところから始めるといいです。
それだとお腹がゆるくなる方は、量を減らして続けていくうちに、だんだん胃腸が丈夫になって(胃腸もタンパク質でできているので)規定量を飲めるようになります。
なお、栄養学を突き詰めて学んでいくと、タンパク質の他にも、ナイアシン(ビタミンB3)や鉄分などを飲んだ方がより効果的だとわかります。
この分野にご興味のある方には、こちらの本を読んでみてください。
イヤイヤ対応には、まず共感から始める
さて、ここからはいよいよ、「子供に怒鳴らずに言うことを聞かせる方法」の説明に入って行きます。
子供とのコミュニケーションで一番大事なのは、共感です。
保育園に行きたくなくて泣いているのなら、
「そっか、○○は保育園に行きたくないんだね」
洋服を着たくないのなら、
「そっか、着たくないんだね。パジャマでいたい日もあるよね」
と、子供が思っていることを代弁してあげます。
そうすることで、子供に、
「ママは自分のことをわかってくれた!」
「やりたくない気持ちを認めてくれた!」
という喜びが生まれ、泣いている子はここで泣き止むか、泣き声がトーンダウンすることが多いです。
ついでに、
「ママも仕事に行きたくない日あるよ」
「ママも子供のころ、保育園に行きたくないことがあったなあ」
などと言って、「ママも同じだよ」というメッセージを投げかけてあげるのも効果的です。
子供の要望を細かく聞いてあげる
まずは子供に共感して気持ちを落ち着かせ、ママの言うことに聞く耳を持ってくれるようになったら、その次のアプローチにはいくつか選択肢があります。
その選択肢のひとつめは、「子供の要望をさらに細かく聞いてあげる」ということです。
たとえば、
「保育園に行きたくないんだね。おうちで何かしたいことがあるの?」
「お洋服着たくないんだね。じゃあ、パジャマのままで何したい?」
と、深掘りしてあげます。
ポイントは、すぐに子供が答えなくても、辛抱強く待つこと。小さな子供は、まだ言いたいことを言葉にして伝えるのが苦手です。
大人でも、外国語で何かを聞かれたら、
- 聞かれた内容を理解する
- 答えを思いつく
- 答えを英語にする
- 実際に声に出して話す
のにとても苦労しますし、時間もかかりますよね。小さな子供は、何か喋るたびにそれと同じ負荷を感じています。
すぐに答えが返ってこなくても、「もしかしたら今、一生懸命考えているのかも」と思って、20秒は待ってあげましょう。
子供の要求に応えて、取引をする
ここで、たとえば、
「おうちでブロックしたい」
などと、子供の要求を聞き出せたら、
「ブロックしたかったんだね。じゃあ、5分だけブロックで遊んで、そのあとに保育園に行こうか。それでいい?」
と、共感しつつ交換条件を出しましょう。
子供は素直なので、「それでいい?」と聞けば、たいてい「それでいい!」という答えが返ってきます(笑)。
逆に、「それじゃだめ?」と聞いたら、「だめ!」と返ってくる可能性が高いです。聞き方に気をつけましょう。
取引の合意が取れたら、時計を見せて、
「この長い針が5のところまで行ったら、ブロックはおしまいだよ」
と、時間の概念を教えます。難しそうなら、タイマーを用意して、
「ピピピッてなったら、保育園に行く時間だね」
と教えましょう。
全く理解していなくても、何度も同じことを繰り返すうちにだんだんわかってきます。
そして何より、
「ママが気まぐれで決めているんじゃなくて、ちゃんと”ごふん”っていうルールがあるんだな」
という雰囲気を感じ取ることで、子供が納得しやすくなります。
取引後の声がけ
「5分遊んだら保育園だよ」
の5分が経っても、多くの場合、子供はそのまま遊び続けていると思います。
でもそこで、
「5分経ったよ!保育園行くよ!」
とは絶対に言ってはいけません。まずは、
「あっ、時計の針が5のとこ来たよ!」
「あっ、いまピピピッてタイマーが鳴ったね!」
とだけ言って、子供の反応を待ちます。
ここで子供が「5分経った!」と言ったらしめたもので、次は、
「そうだね、5分経ったね。それで、5分経ったらどうするんだっけ?」
と、子供に質問しましょう。そこで子供が、
「保育園に行く」
と答えたら、大成功! その子はイヤイヤをぴったり収めて、自分から靴を履いてくれます。
人には、「自分が声に出したことは実現させなければ」という無意識が働くので、たとえ本心では行きたくなくても、「行く」と口に出してしまえば何となく行きたいような気になってきます。
反対に、人から「保育園に行かないとね」と言われると、なんだか素直に言うことを聞くのが悔しいような反発心が生まれてしまいます。
子供に何かやらせたいときは、なるべく親が「○○しなさい!」と言うのではなく、「こう言うとき、どうするんだっけ?」と問いかけてみましょう。
○○したら楽しいことがある、と思い出させる
交換条件作戦が効かない子や、時間がなくて5分も待っていられない時は、
「○○したら、こんなに楽しいことがあるよ」
戦法を用います。たとえば、保育園に行きたくなくて泣いている子なら、まず唐突に、
「○○ちゃん、昨日保育園でなにしたんだっけ?」
「おやつ何食べた?」
「○○ちゃんと遊んだんだよね」
などと話題を振ります。そこで、
「○○ちゃんとパズルしたよ」
「クッキー食べた」
などと答えが来たら、
「○○ちゃんと遊べて楽しかったね。今日も○○ちゃんと遊びたいね」
「今日はどんなおやつが出るかな? またクッキー食べたいね」
と言って、「そうだ!○○するためには保育園に行かなければ!」と、子供に思い出させます。そして留め付けに、
「じゃあ、○○ちゃんと遊びに保育園いく?」
「またクッキー食べたいよって、先生に言いに行こうか?」
などと誘うと、うちの子の場合、ウキウキるんるんで保育園に行ってくれます。
しなければならない理由を説明する
交換条件で釣っても、楽しいことを思い出させても効果がない場合は、しなければならない理由を説明します。
まず、「そっか、やりたくないんだね」と共感した上で、たとえば、
「でもね、○○が保育園に行かないと、ママもお仕事にいけなくなっちゃうの。そうすると、お金が稼げなくなって、お腹が減ってもご飯が食べられなくなっちゃうし、おもちゃも買えなくなっちゃうよ」
と説明します。不機嫌そうな態度やせかせかした態度はNGで、優しく諭すように言いましょう。そして、
「そうなったら悲しいから、ママ、○○に保育園に行って欲しいなあ」
と、まずお願いし、ちょっと黙って子供の反応を待ちます。
運がいいと、この時点で「・・・保育園いくよ」と言い出してくれたりするので、
「うちの子って、実はこんなに聞き分けが良かったの!?」
と驚きます。言うことを聞いてくれた場合は、
「○○、ママの言うこと聞いてくれてありがとう」
「ママ、○○にお願い聞いてもらえて嬉しかったよ」
と、忘れずにヨイショして、いい気分にさせてあげてください。そうすることで、
「まあ、仕方ないから次も聞いてやるか」
という心理が働き、次もおとなしく言うことを聞いてくれます(笑)。
理由を説明しても効果がない場合
しなければならない理由を説明しても、むっすりと黙り込んでしまったり、「イヤ!」と反発してしまう場合は、毅然とした態度を取ります。
子供はわりと状況を理解しているところがあり、
「これ以上駄々をこねても無駄なんだな」
と悟ると、スッとわがままを引っ込めることがあるからです。
毅然と、といっても声を荒げたり、子供を怖がらせる必要はなく、
- きっぱりとした低い声で
- 真面目な顔で
- しゃがんでしっかりと子供と目線をあわせて、
「そう、やりたくないんだね。でもやらないといけないよ」
と言いましょう。
「ママもなるべく○○の思う通りにしてあげたいけれど、これは聞いてあげられない」
と、続けても良いです。
ここでウワーッと泣くかもしれませんが、
「悲しい気持ちになっちゃったね。でも、これは聞いてあげられない」
「なんで?と思ってるね。でも、これは聞いてあげられない」
と、共感を示しながらも、駄目押しのように何度も言います。
ここからは根比べで、ひたすら子供が泣き止んで「行く」というのを待ちます。
5分くらい様子を見てみて、反応がなければ、
「保育園行こうか?」
と声をかけ、そこで「行かない!」と言われたら、
「じゃあ、行きたくなったら教えて。ママは食器を片付けてくるから」
などといって、子供をおいて家事を片付けます。
場合によっては、そこまで根比べする時間が取れなかったり、外出中で周りの目が気になったりと、子供が折れるのを待っていられない状況なこともあるかと思いますが、一度根比べに勝ち、子供に
「これは何を言っても自分の主張は通らない・・・」
という経験をさせると、次からも、
「それは聞いてあげられない」
ときっぱり言うことで子供を納得させやすくなります。
ただし、あまり頻発しすぎると子供のストレスになり、また効果も薄れますので、ここぞと言う時にだけ使うようにしてください。
子供のイヤイヤにイライラしたときの対処法:まとめ
さて、ここまでで、子供のイヤイヤにイライラが爆発しそうになった時の対処法について、以下のことをご紹介しました。
- イライラの原因である栄養不足を解消
- 子供に共感してあげる
- 子供が何をしたいのか聞く
- 交換条件を出す
- ○○したら楽しいことがある、と想像させる
- ○○しなければならない理由を説明する
- 根比べに一度勝つと次から聞き分けが良くなる
どれかひとつでも「これ、いいかも!」と思える対処法を提供できていたら嬉しいです。
育児には辛いことやゲッソリすることも多々ありますが、色々試行錯誤していけば、必ずピタリとはまる解決策があります。
また、時間が経って子供が成長したらすんなり解決した!ということもあるので、あまり根を詰めすぎずにマイペースでいきましょう!